怖い、という感情は、自身への命の危機を知らせる、生命の根源的な感情のひとつです。
そういう性質を持っているので、自分の近くにいる人が恐怖していたとしたら、自分も生命の危機に瀕していることを感じ取って、その恐怖が伝播してしまうわけです。
恐怖の原因となるものが直接自分を害なすものでなかったとしても、「怖がる姿が怖い」という連鎖の反応によって、恐怖は広まってしまうのです。
そして、人によって恐怖の感じ方や許容量というものには差があるわけです。
誰かにとっては日常的に感じる恐怖でも、別の誰かにはまた別の種類の恐怖を、トラウマになるようなレベルで与えているかもしれない。
簡単には恐怖というものは払拭できません。
適切な距離を取り、恐怖と共存していかなければならない……そんなことを感じさせる作品です。