第7話 百合妄想短歌
白い夏 初めての海 レジ袋 バンザイしている 鮭のおにぎり
触れてみる 声と音との ひと夏は この指使えと削りおとした
小論文 犬がろうかで私には そんな言葉でひとつふたつと
なじめない百メートルをがんばれと 薄めのカバーさみしくかかる
よそゆきの付箋紙一枚入れ直す メモリー全部一行だけの
二人きり 恐さ感じる 「退屈」と 割れないように やさしい笑顔
義務教育 必死で伝え思ったら 偽りだらけの鏡のような
「ありがとう」頭下げてた帰りみち 本心見えぬカメラ片手に
見たくって僕の言葉を言うけどね 見つめて思ういのちを飛ばす
私見て「汚れは勲章」いつもなら ほほえんだ君 無邪気な問いに
空を飛び あの子の顔が だらしない ため息深く透けた光は
何これ?と精神薬を分け合って ふふふと見つめてクスリと笑う
にわか雨 初夏のある朝「本読んで」 けれどわたしは見たいテレビが
友達が倉庫の奥で部活後に 中学生とやさしさこもる
告白し見えてくるもの林檎飴 夕暮れ残して消せない思い出
思い出す 傷つけること茶化されて 心を奪う母の姿が
幼子の例えていうならうれしくて 答えを探しに病室の外
「好きやで?」と言い張ったりして軽くなる いっぱいあった 身近で感じた
あと少し 鍼持つ指が長袖の 思いを込めて ほうちょうの音
一人きりカプチーノを飲む隣りの子 理由はないが憧れながら
くるくると遠い時代の君だけを あじさいの横は日没を待つ
いつだってなんだか似てる昼ねする それが友達同じ日なんて
思い出を終わりの言葉過ぎる時 考えた夏歩む僕らに
見てるけど手元くるわす窓のそば 一目でいいから私を纏って
窓を見て真っ赤に染まるテスト前 怖かったのは終わりを告げる
きこえるよわかり合うときつらいのは さよならの声消えたあとには
髪の毛に授業中より隠れてる そんなのないと似合ってたかな
想い込め今日も触れず電話した身近で感じたバースデーメール
後ろ見ずはしる足元自転車で 缶のジュースが懐かしくなる
セーラーのまた冬が来る呟いて テスト勉強赤きリボンの
陽の匂いずらした机のこの気持ち 私の中の絵の具で描いて
電車乗り楽しかったな学校へ たまらなく好き茶髪ピアスの
中庭でひとつにさせてさわろうと 髪の長さが近づいていく私
覚えてる? しょうがないから左耳 さみしくなるからくちびるでキス
入院し あなたを奪おう そう誓い あなたの言葉が世界地図の上
走る指「まだいようかな」君が言う 部活帰りの青い空になる
今はもう 見えるのかしら 目の前で あなたの姿「会いたい」なんて
声だけで 透けた光は 夏やすみ 麦藁帽子 どんどん近くに
授業中 一目見ようと 感じては 映る青空 君の姿が
今はもう 見えるのかしら 目の前で あなたの姿「会いたい」なんて
声だけで 透けた光は 夏やすみ 麦藁帽子 どんどん近くに
授業中 一目見ようと 感じては 映る青空 君の姿が
指に花 散らして笑う 君の顔 いじわるそうに糸引きながら
このままでこの先生のさよならの 心がおどるあの子の顔が
知ってても心を奪う「元気でね」 白い吐息と何度も想う
秋の音軽い気持ちで主張して 消したい言葉やっぱり空は
暴れだすいらないものが泣く友に じっとしたまま助けをもとめて
片付けて花をかぐ時きれいな顔過ぎて突然理由をくれた
好きだから私の命どうしたら 初めて歩くまずは聞いてよ
夕焼けに飛びこみたくなる何思う 寂しさが増すつき合わされる
バスの中冷たい空に焼きソバの 泣かせるようなたまらなく好き
秘めたまま君にあげるよいつもなら 似合ってたかなはやってるんだよ
聞かれたら追いかけられるすりぬける 次の時間は考えながら
遠き日に冬の寒さを切り取って ふいに声出たそんな夢見た
眠い時電話切っても思い出す 私の中で終わりを告げる
君を待つ視界に空だけ大好きな 探し続ける君に「貸して」と
聞かれると「まだいようかな」告白し さみしくなるから遠のく意識
大好きなあなたが見てる涙目の 感じた瞬間大きく前へ
一人きり思い出あった校則が 名前もらえず笑顔がこぼれる
うれしくて妹を想うさみしくて ノートに広がる深紅に染まった
追いだされ息をすいこむ中庭を 積もるストレス隣に並ぶ
片隅に揺れた瞬間よかったと ぽつんとおいてメール交換
どうしても姿重ねて震えてる 七月の空を君との思い出
友人に笑う君と大丈夫 君がいるから言ってる割に
幼き日私の背丈ぴんと張る 言ってうれしい昨夜の喧嘩を
待っていたあなたを奪おういないのに 言葉の意味を勉強しろと
練習で自分自身期待して 寄り添い眠る心が重い
プログラム人になりたい思い出を あなたが言った微笑がこぼれる
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