第2話
今日も又、人は懲りずに欲望のままにミカエルの羽を使ってしまった。それを感じた。神代 契は、相棒のゾフィーを呼ぶ。
「契、幼稚園が燃えている。ミカエルの羽が使われた可能性がある。痕跡が有れば、速やかに回収、そして使用者は最後の審判への移送を行うように」
ここの所長であるアーダム神父が、いつものように冷静に告げた。
「今の所有者は、子供だ」
契が叫ぶ。
「最悪だ。子供の前に現れるなんて、間違っても使うなよ、使うな」
契は、独り言を言いながら部屋を出て行った。その後ろを天使見習いのゾフィーが続く。
「持ち主が子供だと、それは厄介だ。子供が、分別なく使うと犠牲者が増える」
アーダム神父は、タバコに火をつけた。
ゾフィーは、契に今回の大まかな状況を伝える。
「燃えている幼稚園は、S市立Mヶ丘幼稚園だ。燃え始めた時間が、子供たちが帰る時間、親達がお迎えに来た時間に出火、出火場所は、母親たちが時間調整して待っている所から出火したようだ。園内に残っていた子供たちは裏口から避難、子供には被害が出ていないが、出火元に
「子育てしながらタバコか吸っている人間が悪いのか売っている国が悪いのかって事だな、だが、ゾフィー、これはミカエルの羽が使われた」
「そうなんですね、今追加情報です。園長がタバコを止めるように出向きその瞬間水が入っていたバケツから火燃え上がったようです。水がガソリンの様に燃え上がり一瞬のうちに火が幼稚園に燃え移ったと言う証言がある。その場にいた者は全て焼死との続報です」
「水が燃えた⁈、使ったやつは相当に恨みを持って祈ったなぁ、人を焼き殺したいほど、そんなミカエルの羽は禍々しい。だが、使われたミカエルの羽を今現在子供が持っている。それは事実だ」
契は、考えを巡らせる。
「ゾフィー、お前は、今回子供の前に現れた事をどう思う」
「ミカエル羽を普通の人間は見ることは出来ないはずだ。子供が、召喚できるのか疑問は残る。子供が、人を焼き殺したいほど恨むことが可能だと思いたくない」
「そうだよなぁ、それじゃなぜ今その禍々しい羽を子供が持っている?ミカエルの羽を使ったような気配は、子供からは出ていない。子供は使っていない持っているだけだろう」
「それなら、子供はこの世の者では無い可能性が大きいのでは?ミカエルの羽を召喚できるのは、それを使いたいと祈ったことで、使うにしろ使わないにしろそれはこの世の人ではない」
「それとは感じが違う、子供はこの世に存在している人間だ」
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