異世界へ渡った子どもたちと、巨大ロボ・ドンキー・タンディリーが、荒野を旅しながら出会い、学び、少しずつ強くなっていく物語です。
長く壮大なお話ですが、各章からでも入りやすいように工夫されています。
章ごとに旅の目的や舞台が見えやすく、その章で出会う人々やその場や土地の空気も丁寧に描かれているので、途中から読んでも「今、どんな旅をしているのか」がつかみやすいです。
もちろん、読み進めるほどに前の出来事や仲間たちの積み重ねがあり、どんどん深く楽しめます。
第二章では、荒野を進む旅の中で、子どもたち一人ひとりの得意なことや役割が見えてくるのがとても楽しかったです。
戦える子、考える子、感じ取る子、支える子。
みんながそれぞれの形で力を伸ばしていくところが本当にいいです。
それはドンキー・タンディリーも同じです。
ただのお役立ちロボでも、ただの巨大ロボでもなく、仲間であり、家族であり、弟のようでもある存在になっていくのがたまりません。
笑えるやり取りも多いのですが(ここがまた読みやすいです)、その合間に、命のこと、帰る場所のこと、仲間と離れるかもしれない未来の想像・・・など、胸に残るテーマが自然に入ってきます。
重い話になりすぎず、それでもちゃんと考えさせられる。
このバランスがとても好きです。
また、異世界の作り込みが本当に細かいです。
魔法の理屈、モンスターや生き物、各地の文化、交易、乗り物、巨大メカ。
どれも「そういうものがある」と置かれるだけではなく、子どもたちの知識や感覚と結びついて語られるので、一緒に発見している気持ちで読ませて頂いています。
第二章の終わりでは、旅が次の場所へ向かうだけでなく、世界のあちこちでも物語が動き出していて、第三章への期待が一気に高まりました。
「この先どうなるの?」というわくわくを残してくれる、すばらしい章の締めくくりでした。
興味を持たれた方々には、どうかここまでたどり着いて頂きたいですね。
本当はもっと早くレビューを書こうと思っていたのですが、夢中で読んでいるうちに、すっかり遅くなってしまいました。
でも、それくらい先が気になって、追いかけたくなる作品です。
少年たちとポンコツロボの荒野の旅。
笑って、驚いて、少し泣きそうになって、そしてまた次の冒険へ進みたくなる。
こんなに楽しくて、あたたかくて、胸に残る冒険……きっと好きにならずにはいられません。