秘密
天蝶
第0話
ある日、一人の男性がネットサーフィンをしていると、奇妙な掲示板にたどり着きました。その掲示板は、ユーザーが自分の「秘密」を投稿する場所で、実名や匿名を問わずにアクセスできるものでした。彼は好奇心から、自分の昔の秘密を投稿しました。
数日後、彼のところに一通のメッセージが届きました。それは彼が投稿した秘密に関する詳細が書かれており、まるで誰かが彼の過去を知っているかのようでした。彼は驚き、少し怖くなりましたが、そのままスルーしようとしました。
しかし、その後、彼は毎日のようにその掲示板からメッセージを受け取るようになりました。最初は彼自身の秘密に関するものだったのですが、次第に彼の家族や親しい友人の秘密にまで触れられるようになりました。その全ての内容は正確で、彼は誰が情報を得ているのかを考えました。
ある晩、彼は掲示板を覗くと、「君がこのままだと、その秘密をもっと深く知ることになる」といったメッセージが表示されました。怖くなった彼は、掲示板を削除し、アカウントを削除する決意をしました。
ところが、次の日、彼の友人が突然現れ、こう言いました。「君の秘密を知っている人がいる。もうやめた方がいい」。男性は恐怖で凍り付いてしまいました。結局、彼はその掲示板を訪れることはやめられず、その後も続く不気味なメッセージに怯えながら暮らさざるを得なくなりました。
数ヵ月後、彼はふとした拍子にその掲示板を再び見てしまい、もう誰も書き込んでいないことに気づきました。その瞬間、彼は自分がずっと見られていたことを理解しました。掲示板ではなく、彼の後ろに立つ「存在」によってです。
その後、彼は行方不明になりました。今でも彼の秘密はネットのどこかで語り継がれていますが、誰も彼が何を知っていたのかを知りません。そして、彼の後に続く者たちがその掲示板を見ることを今も恐れています。
秘密 天蝶 @tenchoo
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