第3話〜事件のニオイ〜
袋から白い粒とか粉とかを出して、ソールさんに見せると。
「これは……ダイモスくんに、ライムに飲ますよう言われた薬だ。免疫力を上げる薬だと言っていた」
「いいえ、違いますよソール。これは麻酔薬の働きを抑制する薬です。それでライムは目を覚ましてしまったんですね……。そしてソールがいない隙にタイタンにも薬を与え、ワープして逃げたのでしょう」
母ちゃんが冷静に言うと、ソールさんは顔をサッと青くした。
そういえばダイモスさん、ボクらがライムとの戦いに勝った後にダイモスさんだけ別行動して、ソールさんたちについて行っていた。その後、ソールさんは、ダイモスさんに渡された薬をライムに飲ませた、って言ってたっけ。
ソールさんの話からすると、ダイモスさんはウソついてその薬をソールさんに渡して、ライムに飲ませたって事にニャる。いや、ウソついたんじゃニャくて単純に間違えたってだけかもしれねえ。脳ミソまで筋肉で出来てそうなネコだからニャ。
「ソール! 薬の種類ぐらい確かめてから飲ませなさいよ!」
「ヴィーナス、あまりソールを責めるな」
「そ……そういえば、フォボスさんとダイモスさんは、どこにいるの……?」
ソールさんが顔を青くしたまま、首を横に振る。
「それが、街の再建の時以来、連絡が取れないんだ……」
「フォボスとダイモス、まさか俺たちを裏切ってライムの味方しようとしてるんじゃねえのか?」
「マーズ、それは早計ですよ。まだはっきりした証拠も無いのですから」
「そ……そうよ。フォボスくんもダイモスくんも、あの時一緒に戦ったじゃない……?」
「いいえ、可能性としては、なくもないわ。一応注意しときなさいよね」
ボクらがネズミたちの世界から棲家のガレージに帰ろうとした時、ミランダがミスってニャンバラに“ワープゲート”を繋げた。その時にフォボスさんとダイモスさんは、ソールさんたちと“
フォボスさんとダイモスさんが裏切っただニャンて、ボクは信じたくはねえんだが……。
会議は続く。その間、ボクはもう1つ、気にニャッていたことについて考えていた。
ボクとスピカが、ニャンバラから元の世界に帰ってきたあの時―― “ワープゲート”が開きっぱなしだったと、スピカが言っていた事だ。
嫌な予感がするぞ。
あの時、ボクらが棲家に帰った後も、ニャンバラの公園で“ワープゲート”が開きっぱなしになっているとしたら――。
もしライムがニャンバラに逃げたとしたら、開きっぱなしの“ワープゲート”を見つけやがるかもしれねえ。
もし“ワープゲート”の存在をライムに知られたとしたら――。
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