なんでも屋ケーシーの異世界事情

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第1話 なんでも屋ケーシー

「ケーシー殿! 毎朝、吾輩の身体を磨いてくれたまへっ!」

「へっ?」

「結婚してくれ、ということさっ!」

「……はぁ?」



 ケーシーこと僕、ケーシー=クーガーはもう何度目かになる彼からの求婚にそろそろげんなりしてきた次第である。


 何度僕に断られようとも懲りずに求婚してくる彼。

 僕の眼の前でソファに座りポーズを決めている彼は、驚く事にニンゲンじゃない。


 身長は40センチほどでニンゲンの僕よりは少し小さい。

 全体的にぬぺっとしており、手はスラッと長く下半身はどっしりとしている。

 赤茶色の焼けた肌、クリクリとした大きな目と小さいお口に、常に笑顔を絶やさない可愛い顔。


 地球アチラの人間が彼を見たらみんな口を揃えてこう言うだろうし、勿論元地球人の僕もこう言う。


「えーと、埴輪の貴方との結婚はちょっと無理かな」


 と。


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