1回15分。春と秋2回の二者面談。
二者、ないしは三者、四者。
生活・学習態度、進路希望など。
詳細は違えど学校で面談を受けるという経験は、おおよそ多くの人がするものだと思います。
本作を読んでいるうちに蘇ってくるのは、そんな面談の記憶でした。
限られた登場人物と舞台、想像しやすいシチュエーションによって際立つのは、物語の空気感と主人公の心情の質感。淡々とすっきりとした文章だからこそ、自分の記憶を引き出す余白と、物語そのものへの没入感を両立する淡さを引き出しているのだと感じました。
『真面目』でいることの自分らしさ。
何かと理由をつけなければ得られない共感と将来性。
悩みや葛藤が尽きない時期の閉塞感。
生徒と先生という圧倒的な人生経験の差から生まれる、妙な手触りと温度を感じさせるセリフでのやりとり。
面談後のざらりとした後味。
主人公の静かなる心の叫びが、ひしひしと聞こえてくるような。
魅力的で没入感のある読者体験を是非、お楽しみください。
素晴らしい作品をありがとうございました。