羽化登仙~羽を得て仙界に昇る~

大黒天半太

羽化登仙~羽を得て仙界に昇る~

 仙道の修行に入り、仙人を目指すようになるのに、特に理由があった訳ではない。


 絵巻物や民話に登場する仙人と言うと、俗世を離れた仙人でありながら、まだ人間臭さ、俗世の垢にまみれた思考や行動でうっかり失敗してしまうような、身近でユーモラスな面のある微笑ましいキャラクターも多い。

 そんな緩いイメージの、仙人への道だと勘違いして、スタートしたと言っていいだろう。


 だが、実際に遭う仙人は、逆に、外見こそちょっと何かが普通とは違うと感じさせるくらいのモノだが、内面は、もう人間とはかけはなれている。


 既に、先達は、神仙の域に達しているのだから、当然だ。神人、真人、仙人、いずれも人を超越している。


 修行半ばの私は、その長い行程の半分にも至っていない。


 道術、内丹術、煉丹術、導引術、房中術、学び実践し修得する内容が多い。


 今宵はここまでとして、一息入れよう。


 羽化登仙仙人に至るに至る前に、この取って置きの一本で、羽化登仙名酒で天にも昇る心地と洒落混むのも、仙道修行者の嗜みと言うものだろう。

  

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羽化登仙~羽を得て仙界に昇る~ 大黒天半太 @count_otacken

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