突然の告白から始まる数奇な物語

ナイトジョーカー

第1話 真央さんに突然告白されました!!

 ある普通の一軒家から急いで飛び出してきた黒髪の高校生がいました。その高校生は、高校に早く向かいたいのか、全速力で走っていました。


 その高校生の名前は日枝敏郎といいます。見た目は、どこにでもいる普通の高校生です。


 その日枝敏郎は、早口でつぶやきながら走っていた。


「早く急いで向かわないと、学校に遅れてしまうぞ!! 急げ!! 急げ!!」


 敏郎は、何度も何度もそうつぶやきながら高校に向かって走っていました。


 

 そして、しばらくして、高校の校門に着きました。


「はあ…はあ…なんとか間に合ったぞ。もう少し遅かったら、遅刻扱いになってしまったぞ」


 なんとか間に合った敏郎はそのまま高校の敷地内に入りました。


 

 「あ、あのよろしいでしょうか!」


 女子高生が敏郎に話しかけてきました。


 突然、話しかけられた敏郎はびっくりしながら返事をしました。


 「な…なんでしょうか!」

 

 すると、女子高生は緊張しながらも、顔を赤らめながら驚くべきことを言ってきました。


「私、敏郎さんのことが前から好きだったんです。どうか付き合ってください//]


 突然告白された敏郎は驚きでいっぱいになりわけがわからない状況になりました。


 それも無理はありません。急いで高校に向かったら校門の近くにいた女子高生から突然告白されたのです。驚くのは当然です。


 ただ敏郎は驚きつつも、告白してきた女性の見た目がストレートの黒髪で、ぱっちりとした目をしていて、容姿が整っており、気品も漂わせるとてもきれいな女性で、敏郎も顔を赤らめていました。


 二人は顔を赤らめながら、少しの時間沈黙の時間が流れていました。


 その沈黙の状況を打ち破って敏郎は返事をしました。


「あ…あなたのようなきれいな方がこんなどこにでもいるような僕を本当に好きなんですか…からかいならやめてください…」


 すると、女子高生は焦った感じで切り返してきました。


「からかってなんかいません。私は、前から敏郎さんのことがすきでした」


「そ…それなら伺いますが…僕のどういったところが好きなんですか?」


「それは、いつも落ち着いた感じでいて、時々むじゃきにはしゃぐ姿がとても愛しく感じるところが好きなんです。だからどうか付き合ってください」


 好きなところを堂々と言われた敏郎は恥かしくなりさらに顔を赤らめていました。


 こんなきれいな女性に告白され、好きなところも堂々と言われまんざらでもない状態になった敏郎は告白を断るなんてもったいない。断るやつは馬鹿だと思ったのかこう返事をしました。


「わかりました。こんな僕でよろしければどうかよろしくお願いします」


 敏郎はOKの返事をして、深々と頭を下げました。


 OKの返事を受けた女子高生はうれしさのあまり、喜んだ表情をしながらはしゃいでいました。


「こ、こちらこそよろしくお願いします」


 女子高生も頭を下げました。


「ところでお名前をまだうかがっていないような…」


「あっ…そうでしたね。私の名前は板野真央といいます。どうかよろしくお願いしますね」


「こちらこそよろしくお願いします」


 そう返事をした時でした。突然チャイムの音が聞こえてきたのです。その音を聞いた敏郎は急いで教室に帰らないといけないと思い、その場を離れようとしました。


 「すみません。チャイムが鳴ったので教室に急いで向かいます。板野さんも急いで教室に向かったほうがいいですよ」


 「そうですね。では、放課後にまた校門の前で落ち合いませんか」


 「わかりました。では放課後に校門の前で」


 「あ…あと私の名前を呼ぶときは下の名前で呼んでくださるとうれしいです」


  そのように言われ、恥ずかしながら下の名前で彼女のことを呼ぶことにしました。


 「わかりました。では、真央さん。放課後また会いましょう」


  下の名前で呼ばれた板野真央は嬉しさのあまりさらに顔を赤らめました。


 「では失礼します!!」


 敏郎は、そういうと、急いで教室に向かいました。


 

 なんとかギリギリ教室にたどり着いた敏郎は、自分の席に急いで座り、授業を受けたのでした。


 授業を受けている最中、敏郎は告白してきた板野真央さんのことで頭がいっぱいになっていました。


 (こんな自分を好きになってくれる人がいてくれたなんて。しかも、あんなきれいな人が…ものすごくうれしいな!)


 あまりにも板野真央さんのことで頭がいっぱいになり、授業に身が入っていないようで。その様子が気になった先生が敏郎に話しかけてきた。


「敏郎。この問題を答えることができるか!?」


 突然、先生は数式の問題を敏郎に振りました。振られた敏郎は、女性のことで頭がいっぱいになっていて、問題の解答ができませんでした。


「すみません。まだ解いていません」


 解答できなかった敏郎をみてがっかりした表情をした先生はこういってきました。


「なにに夢中になっているかは知らんが、授業に集中しなさい!!」


「はい、すみませんでした」


 敏郎は謝ると、はっとしながらその後は授業に集中したのでした。


 

 その後、敏郎は授業に集中して臨みました。そして時がたち、放課後になりました。


 敏郎は心躍る気持ちを抑えることができないようで、持ち帰るものを急いで鞄に片づけると、すぐさま教室を飛び出して、校門に向かいました。


 

 校門の前に着いた敏郎は、板野真央さんを探していました。


 少し探していると、板野真央さんを見つけました。見つけた敏郎はすぐさま向かい話しかけました。


「真央さん、遅くなってごめんなさい」


 板野真央さんは笑顔で返事をしました。


「いえ遅くなんてないですよ。むしろ早いほうです」


「そういってくださると助かります。それじゃあ今からどうしますか

!?」


「そうですね。帰り道は途中まで一緒だと思いますので、一緒に帰りませんか!?」


「じゃあそうしましょうか」


 こうして敏郎は真央さんとともに途中まで一緒に帰宅することになりました。


 

 その時、校門の前でほかの女子高生がこんなうわさ話をしていました。


「ねえ、てけてけって知ってる」


「知ってるよ。なんでも電車にひかれて下半身と上半身が真っ二つになった女子高生が夜中に同年代の学生のもとに訪れて、足をくれって上半身だけの姿で求めてくるんだよね」


「そうなの。めちゃくちゃ怖いよね。でも、ここではその話にまた違った内容があってね。どうやら、その女子高生は結婚詐欺師に騙されてしまって自殺で電車にひかれてしまったんだって」


「うそー、なんだかかわいそう」


 「しかも、その女子高生は、とてもきれいな見た目をしていて、くまのぬいぐるみが好きだったそうよ」


 「えーなんだかもったいない。かわいそう」


 「だよねー」


 しょうもない怪談話で噂をしているなと敏郎は思いながら、その場を後にして、真央さんと一緒に帰宅したのでした。


 一緒に帰宅する最中、敏郎と真央さんは趣味や高校での生活など他愛もない話をしながら盛り上がっていました。


 そして、違う方向に分かれる分かれ道にたどり着いた二人は、それぞれの家に帰宅したのでした。


 

 敏郎は自分の家に帰宅するさなか、きれいな真央さんと付き合え、しかも途中まで一緒に帰ることができて幸せな時間を送ることができ、満足した表情をしていました。


 しかし、少しだけ引っかかることがあるのか、ふと考え事をしていました。


(真央さんと途中まで一緒に帰宅できてうれしかったな。でも、どうして、自分の帰宅する道を知っていたのだろうか! もしかして、自分の家を調べつくしていたとか…ちょっと考えすぎか)


 不穏なことを少し考えた敏郎でしたが、そのままうれしい感じで帰宅したのでした。


 

 

 

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