マイクロビキニフォーム
突如としてお腹の下に浮かんだ謎の紋章。
だが、その光は直ぐにスッと消えてしまった。
「一体何だったんだ……」
疑問は浮かぶが、こんなことにかまけている場合では無い。
未だに赤いオーラを迸らせる怪人の元へと戻ってきた。
だか、そのオーラはかなり薄くなっており、間もなく解けるであろう事は明白である。
(もう人もいないし、視線を気にせずに大きく避けよう)
もう恥ずかしがる必要もない。
先程と同じように、大振りで暴れる怪人の攻撃を大きく動いて回避していく。
そうしていくうちに徐々に怪人のオーラが消えていき、遂に全く見えなくなってしまった。
「フ、フラ……」
途端に怪人の動きがガクンと鈍くなり、叫び声も小さく、息も絶え絶えと言った様子へと変わっていった。
「いまだ!!」
僕は魔力の全てを魔法のステッキへと注ぎ込んでいく。
「刺々しい心よ、一筋の平穏を取り戻しなさい!
レジリエンス…………ノヴァァァァァァ!!」
僕の構えたステッキの先から、白い魔力の奔流が飛び出し、怪人の体を貫いた。
そして、怪人はそのまま前のめりに倒れ、爆発四散していなくなってしまったのであった
「やった、勝った……って、何これ!?」
パッと目についた自分の格好に驚きを禁じ得なかった。
腰を薄く隠すのみであったスカートは無くなり、丸出しになったハイレグスーツに至っては薄くなって消えてしまい、隠されているのは胸と股の局部のみ。
これは確かマイクロビキニとかいう格好じゃ無いか。
ワイワイ、ガヤガヤ……
そのタイミングで人が戻ってくる気配を感じた。
何とか人目につかないようにここから脱出しないと……僕は慌ててなけなしの魔力を足に込めて跳び、近くのビルの屋上へと駆け上がっていたのであった。
「はぁはぁ……一体どういうことなんだよ」
あまりにも恥ずかしすぎる格好に身悶える。
すると、再び下腹部がゾクリとしてあの変な紋様が浮かび上がった。
現在、そこは丸出しなのでよりくっきりと見え、僕の肌に浮かんでいるということが分かる。
「これも何なのか全然分からないし……って、そうだ!
変身を解けば良いんだよ」
慌てていて忘れていたが、変身を解けば元の学生服に戻るはずだ。
こうして変身を解除すると予想通りに恥ずかしい格好から、元の学生服へと戻った。
こうして何とか落ち着きを取り戻すと、下腹部の紋様も再びスーッと消えていったのである。
「僕が慌てるようなことが起きると出るのかな?」
何とも腑に落ちない感情を抱いた時であった。
『サディ……聞こえますか?」
唐突に頭の中に声が響いたのであった。
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