転生OLが「女軍師」として曹操に仕える――そんな突飛な導入から始まる本作。
物語が進むにつれ、乙女ゲー風のキャラクターイベント、三国志の戦場再現、転生知識を使った介入が丁寧に積み重ねられ、読み手を自然に引き込んでいきます。
序盤は読みにくさを感じましたが、中盤以降は安定して物語世界に没入できます。夏侯惇との命がけの攻防、司馬懿の怪しさ全開の登場、そして何より荀彧が「転生の秘密」を知っていたと告白する第30~31話は、本作が単なる戦記やラブコメを越えて、「異物としてこの世界に生きる少女の孤独と居場所」というテーマに踏み込む転機になっていました。
三国志という大河に、ゲーム的な軽さと少女小説的な温度を重ね合わせた独自の作品。
読み進めるほど、史実と創作の狭間で揺れる甄嘉の存在感が強くなっていきます。
中華歴史オタのOL嘉那慧(かなえ)が、大好きだった三国志シミュレーション乙女ゲームに転生したのは、最推しである軍師・郭嘉(かくか)が天に召される三日前だった。
そんな衝撃のシーンから物語が始まります。
正直、三国志もゲームもよくわからない私に、この小説を理解できるだろうかと思いながら読み始めましたが、一話目でそんな不安は消し飛びました!
強火オタの主人公と、今わの際の郭嘉との会話が面白過ぎる。
三国志なのにこのノリでいいのか!?
イケメン武将や軍師たちが、色気たっぷりで個性的な男性ばかりなのもいいですねえ。女性の読者には大事なことです!
愛すべき女性キャラもいますよ。
もう一人の転生者が、三国志も乙女ゲームもまったく知らない子で「お姉さま」と懐いてくるのですが、このぶっ飛んだキャラが妙に癖になるというか、可愛く思えてくるのが不思議です。
本当の三国志と乙女ゲーム〝ロード・オブ・三国志〟の違いをわかりやすく説明してくれるので、三国志の勉強にもなります。
特に、歴史上の人物たちのことをエピソードを絡めて面白おかしく教えてくれる「女軍師・甄嘉のやわらか人物評」が最高です!
歴史が苦手な受験生、集まれ~!と言いたくなります。
ぜひ、この作品を「三国志」へのとっかかりにしてください。
もちろん、笑える作品を探してるひとにもお勧めします!
中華の歴史――特に三国志が大好きだった主人公(オタクOL)が、三国志をベースにした乙女ゲームに転生して、魏の国にて大活躍するお話です。
そう、あくまで三国志をベースにした乙女ゲームです。
となれば君主たる曹操はイケメン。猛将・夏侯惇もイケメン。軍師・荀彧もイケメン。孔融は……モブ顔でした。
まだ登場していませんが、きっと関羽もイケメンでしょう。張飛なんかも意外と優男なイケメンになっているかもしれません。(某乙女ゲームで、武蔵坊弁慶が優男系イケメンになっていたことを思い出せば想像に難くありません)
そんなイケメンだらけの三国志の中で、歴史オタの女子が落ち着いていられるわけがありません。
泣いているときさえテンション高めで、笑えてくるほどです。
雰囲気は、ノリノリのコメディです。
三国志は人気のモチーフでありつつも、知らない人にはまったく通じないという敷居の高さもありますが、本作においては心配無用。
先述の主人公の奇行――もといテンション高めの言動がまず面白い上に、登場人物にはちょいちょい人物評を挟んでくれます。
この人物評のおかげで、どんな人なのかはだいたい分かります。また、ここでも主人公のノリが表れていて面白く読めます。
そもそも、三国志をベースにした乙女ゲームという設定上、色々と本当の三国志とは違っておりますので、三国志を知らなくても大丈夫でしょう。
真・三国無双とかみたいに、なんか面白いからとか、なんかキャラがカッコいいとかで楽しめば良いタイプの作品です。
転生モノらしいスキル無双もあり、今後の主人公の軍師としての活躍も期待大です。
三国志ベースのノリノリで楽しめるコメディ作品。
ぜひともご一読くださいませ!