第1話 さらば今世!おはよう中世!?(修正版)
「やってられるかぁ!!」
ある雪の日。深夜というより未明と呼べる時間。飲めない酒を宵の口から浴びるほど飲んだ
「仕事のノルマをクリアしたから増やすのはわかるが、倍々算で増やすなってんだ!」
そんな彼を弁護する訳では無いが、彼は人生41年でこんな事になったのは今日は初めてであり、昔からの酒の席でも立ち回り上手で、上司や先輩からの勧めでも酒を口にしたことはない。
普段の彼は酒も含めて、女遊びもスリルを求めるようなイタズラもしない。仕事に関しても自分の事だけでなく、周囲も助ける。いや、少しばかり押しの強いお節介な面はあったと言えるが両立できる手腕を持っていた。
「おっとっと。あのバカ会社が・・。」
そんな仕事が上手く、周りからは良い人として見れらているかれが酒に呑まれ、管を巻いて千鳥足とは会社の面々からすれば信じられないだろう。
『仕事以外楽しみがあるのかしら?』
『実は酒や女が好きで、上手く遊んでいるんでしょ?』
いや、少しばかり上手く立ち回りすぎて、口が悪い人間や遠慮のない面々に私生活について妙な噂が出てしまっているが、前述のとおり、人から見れば堅苦しい。または、面白くない生活をしているのは間違いない。こればかりは調べられてもホコリの一つも出ない。出るとしたのなら、今の泥酔ぐらいなモノだろう。
「オロロロ・・・」
訂正しよう。泥酔と公園に粗相をしたぐらいであろう。そんな彼にも私生活には楽しみや趣味がある。古今東西の歴史を題材としたゲームや娯楽小説である。少し前までは休みの日には時間を忘れて楽しみ、読みふけっていたものだ。
最近は時々だが独身で寂しさを感じて、そろそろ嫁さんでもほしいなぁ。などと、感じることもあったがソコソコの幸せな人生だと自覚している。
「買収されてんじゃねぇよ!」
それがこんな泥酔して荒れているのは半年前に勤めていた会社が外資。しかも、業界ではとても悪どいと悪評がある企業に買われてしまってからだ。
利益至上主義かつ数字主義で……いや、確かに利益や拡大はするだろうが、とにかく日本に合わないというのか。使い捨てにするというべきか。社員が次々に減っていくのだ。出来ない人間はクビが跳び、出来る人間は仕事量の増加で体を壊していく。
そんな中でも、彼は全力を尽くした。いや、尽くしきったというべきか。自分のノルマを達成し、直属の部下だけではあったが手助けも行い、上にも意見をした。…しかし、変わることはなく、見たこともない『どこかの誰か』からは叱責とノルマの増加だけを伝えられる。
そしてついに、自分の手が回りきらなくなり部下や同僚も体調を崩していった。全部をすくい取ることは出来ないとはいえども、その事実は彼の心をすり減らしていた。
そんな現状にも自分だけは抜け出すことも出来たが、その逃げるという事実を見ないようにして、できるだけ考えないように耐えていた社畜になっていたのであったが、ついに彼も自分の不足と情けなさに爆発。
「クソが!部下の勤怠も認めないあんな会社!ふざけんな!」
見事にタチの悪い酔っ払いとして叫びまくる始末である。しかし、幾分かの鬱憤の発散によってか。ある考えが頭をよぎる。いや、聞き分けの良い社畜根性が弾けたというべきか?
(独立すればいいんじゃね?)
ヨッパライの戯言や思いつきではあるが、それが出来る能力も彼にはある。参考にできる人間も近くにいる。
「よぉし!40過ぎのオッサンの大博打だな!なんかかアガってくるな!そうすればなんとでもなるな。」
能力はあるが、展望はない。もう一度いうがヨッパライの戯言で思いつきである。しかし、今の彼にとっては名案だと確信していた。平時であるなら、社畜根性が弾けたのならば別の手段もあったろう。41年生きてきたの初めての博打であり、初めての目標であった。
「そうと決まれば、話が早い。早速、仕事中にも出来るとこをしよう。兄ちゃんにも連絡して・・・」
などど楽しそうに考えていた彼であったが、その願いは叶うことはなく酒に呑まれたまま気を失うように眠りに入り、そのまま深い深い眠りに入ったまま目を覚ますことはなかった。
そんな彼の死後にはなるが、彼の務めていた商社とその親会社は彼の身内に呑み込まれてしまうのであった。
「よいかな? 竹千代。」
「はい。お師匠様。」
次に笠原道夫の意識が目覚めたのは、ある寺の一室であった。
(あれぇ?! ここどこ!?)
もしも、答える人が居たのならば、天文24年(1555年)の松の内が明けたころ。そう答えるだろう。
ここから、笠原道夫。改め、幼名・堀越六八郎が戦国時代に飛び立つことになる。
※作者の一言・・・2025/02/08 修正しました。他の話も少しずつ修正していきます。
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