④いよいよ2/1受験本番。娘、アレを忘れる。

 二月一日の朝。

 私たちは早起きをして準備しました。もちろん荷物は前日に用意済みですが何度も確認します。


「受験票あるね? PASMOパスモは持った? 筆記用具は?」

「全部ある!」


 この会話をした上で家を出ました。はい。皆さん。見てください。ここで忘れ物チェックを私たちはしています。

 では☆子の忘れた「アレ」とは何だったのか? と疑問に思いますよね。

 この後、ネタバラシをしますので続きを読みながら予想してみてください。



 午前は本命のB中学の受験です。親は体育館で試験が終わるのをじっと待ちます。

 終わって☆子と合流しました。


「どうだった?」

「うーん、一応回答は埋めたけど……」


 あまり自信の無さそうな様子です。が、ダメで元々。無理めな上の学校を狙ったのですからここは落ちても大丈夫! と声をかけて、気分転換に少し良いランチを摂りました。その後A女学園に向かいます。


 午後も同じく親はホールで待たされました。

 試験が終わって帰ってきた☆子に同じように「どうだった?」と聞きます。

 彼女は、あっけらかんと言いました。


「うん、半分は取れてると思うから大丈夫じゃないかな」


 はい。ここで私は違和感に気づくべきだったのです。

 という言葉に。

 A女学園はコアラ先生も太鼓判を押す余裕の筈です。なのに、半分。

 けれど☆子は自信が無さげではなかったのです。だから私は気づかずに「そっかー!」と帰宅しました。その後も、特に彼女は様子のおかしなところはありませんでした。


 私立中学の試験結果は殆どの学校が、その日の夜にはわかります。

 その結果によっては、次の日の受験する学校を切り替える生徒もいるそうです。私はこれも「二月の勝者」で読みました。本当にこの漫画に感謝しています。これが無かったら今頃呑気にエッセイを書けなかったに違いないからです。


 夜、先に午前のB中学の結果がわかります。確か21時頃だったと思います。午後のA女学院の結果は22時30分頃の予定でした。

 スマホを手に、21時が来るのを待ちます。ドキドキしながら結果のページを開くと、そこには「不合格」の文字が。


「あー、残念だったね。まあでも次を頑張ればいいよ」


 できるだけ明るく努めて☆子に声をかけます。すると突然、さっきまで元気だった彼女が布団に潜り込むと泣き出しました。


「う……ううっ」

「え? どうしたの?」

「落ちてる……A女学園も絶対落ちてる……」

「え!? なんで? 半分取れてるって言ってなかった?」


 A女学園はそれ程偏差値が高くないので、半分点が取れていれば十分合格ラインの筈です。


「忘れたの……」

「何を?」

「名前、書くの忘れた……!!」


 そういってわあわあ泣き出す☆子。

 私は呆然としました。

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