Code 1 :意味に気付いた3日後

■ 第1話 登場人物 -^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^-

ムサシ:主人公。月峰武蔵、大学生。

クフ王:ムサシのダウジング神。ラピスのペンデユラム。

ヒカリ:ムサシの姉。月峰光、社会人。

金龍先生:ヒカリの占い師の師匠。金龍数子。

水鏡先生:ヒカリの師匠の金龍先生の師匠。気功師 水鏡弦蔵(ミカガミゲンゾウ)

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ムサシは、あれから「宇宙再現の実験」について調べていた。

素粒子実験事故のPDFの「自己責任」については、とりあえずあまり気にしないようにしようと思っていたが、夜中に何かビリビリっとする電気に打たれたような感覚で目を覚まさせられた。


――いってぇーー!?!?!?

  なんか今ビリッとしなかったか…? 気のせい…?


時計をみるとAM4:00。

状況がよくつかめない。クフ王の〝ヤバイ〟の文字が頭によぎった。


――〝ヤバイ〟ってこれか?


その夜、再び同じ現象が、同じ時間に起きたため、気にせざるを得なかった。


――いってぇな…

  また4時じゃん――!?

  気のせいじゃない… よな…??


身体はビリビリしている。ふと、スマートフォンから熱気を感じる。

画面から、マゼンタ色の粒子がキラキラと出ていた。

なんだこれっと思っていると、すぐ止んでしまった。


――え? なんだ今の光? 電磁波?

  まさかのPDF記事の「自己責任」の答えがコレか?

  スマホがハッキングされたのか――?

  ……でもすごい技術だよな


外の光がかすかに入ると、部屋の様子がうっすら見えてきた。

空間にRGB(Red,Green, Blue)の色のついたラインが格子状に交わって見える。


――空間にあんな模様あったか?

  この粒子が空間をおかしくしたのか? また明日くるのか!?


「クフ王、この現象はあのやばいって言ってたやつ? かなりヤバイの?」

〝ソコソコ〟

「空間の電磁波のせい?それとも別?」

〝デンジハ〟

「これどうにか解決できるの?」

〝ドウニカ〟


――うーん、〝ソコソコでドウニカ〟できるなら、まあいいか……

  乗り越えられない壁なないっていうし…


もはや楽観的に思いたいところだが、昨日より結構ぐったりしている。


―― 続くと体力的にまずいよな。でもすごい技術だな。


ムサシは電磁波でする攻撃の過去のケースなどについて何かあるか調べてみた。

面白そうな本が売っていた。


――マイクロ波兵器の軍事運用?

  電子装置によるマインドコントロールの可能性?

  う~ん、なにコレ。実験?

  マインドコントロールといっても感情の操作レベルか。

  年代が結構前だけど、情報開示ってしばらくたってからだよな…

  この本でも買ってみるか。


クリックした本は、高評価がついている。技術研究所の理事の翻訳本だった。


――というか、そもそもこの現象は、「トリプルアルファ」と、あのジャーナリストRKは関係してるのか? 軍事機密レベル情報をつきとめたジャーナリストRKに、ブログ掲載続行と引き換えに、読んだ人への人体実験というシナリオも考えられるけど、それはさすがに考えすぎかな…。それとも都市伝説の人工地震みたいに、首をつっこむなというただの警告か?


ありえそうな可能性を考えてみるが、クフ王に「人体実験、警告。どちらでもない」でダウジングで問うと〝ケイコク〟に反応した。


――つまり監視されてるわけではなく、放置プレイか?

  そうだよな、ファイル開いた不特定多数の人々を、いちいち監視するわけがない。ファイルを見た方も原因特定の証拠もなければ、うまく説明もできない。

  さらに、ジャーナリストRKの記事だってどこまでが本当で、フェイクも混じっている可能性ある――。

  別の真実から遠ざけるよう、ミスリードをしかけてある可能性もあるよな――。


そこは、考えても答えは出ない。

疑問ばかりの3日目の夜、ムサシは寝る前の薄暗い空間で、天井を見つめていた。

あのカラフルな格子の模様はまだある。

目を閉じると、眉間のあたりに、藍色の光がくるくるとしている。

丹光とよばれる光で、サードアイのチャクラが反応している。


――そういえば気功の先生が、人間は手からエネルギーを出せるって言ってたな…。

  つまり手の天然の磁波で自分を覆うようにすれば防げるのか?

  いつも、自分が光輝くイメーじをしなさいと言っていたな…


気功の先生は、姉・ヒカリの知り合いの占い師・金龍先生の師匠である、水鏡弦蔵(ミカガミゲンゾウ)氏だ。ムサシはその気功の水鏡先生の言葉を思い出した。

手から気のエネルギーが出るのをイメージしてマントラとして唱え、身体をそのエネルギーの光で覆ってみた。


――これでダメージ受けなかったらすごいよな。


ついでに手から出した気のエネルギーを空間に投げてみた。

カラフルな電磁波のラインが消えるのを期待したが、キラキラ輝いた気がした。

ムサシはいつの間にか眠りに落ち、朝までぐっすり眠っていた。


――おおっ 気功すげぇ! 4時に起きなかったな。

  ダメージはないぞ、マジで防いだのかな?

  あるいは、今日はこなかっただけも考えられるよな…


ムサシは、その日もいろいろ調べ続けた。

海外で、電磁波の攻撃によって悪夢の被害を受けたという記事をみかけた。

先日購入した本がちょうど届いたので調べると、脳に特定の微弱信号を照射することで、頭痛や不安などを操作できるとあった。


――壁一面の蜘蛛の夢? それは不安の周波数で悪夢を引き起こしたのか?


4日目の夜も、手からエネルギーが出るのをイメージしてマントラとして唱え、身体をその光で覆ってから寝た。

その日も、ビリビリとしたダメージは受けることはなかったが、昼間調べたような、蜘蛛の夢を見ることになった。壁一面に大きな蜘蛛が、規則正しく並んでいる。

はっとして目が覚めたが、目が覚めても悪夢の続きが現実に起きているように、壁一面に大きな蜘蛛いるように感じられた。

冷静にじっと蜘蛛を見つめていると、すっと電磁波の模様に切り替わっていった。


―― ??こういう仕組み? ? すごいはすごいけど…

  4時ピッタリじゃないのは、夢のタイミングで作動のためか?

  ある意味、マントラが効いたというより、マントラを唱えられたらビリビリが効かなくなると解釈されて、悪夢の攻撃に変化したのかな? そうだとすると、なんだかAIみたいだなw

  次は暫く、悪夢が続くのか――?


5日目の夜も。手からエネルギーが出るのをイメージしてマントラとして唱え、身体をその光で覆った。習慣になりつつあった。


<続く…>

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