アイドルはセフレ持ち:地味子がセフレを作りアイドルになった件

愛田 猛

プロローグ


テレビから軽快な音楽が流れてくる

アイドルユニット「ノイジ―・セレニティ」の新曲初披露だ。


ノイジ―・セレニティは三人組の女子高生アイドルユニットだ。

とくにセンターのナージャこと奈美は「絶対アイドル」と呼ばれる一番人気である。


実は奈美というのも芸名で。本名は「なじみ」という。



高校二年生の淀橋 甘楽(よどばし かんら)がつぶやく。


「あそこで踊っているノイジ―・セレニティのセンターのナージャが、俺の上で腰を振っているとは誰も思わないだろうな。」


その声はテレビの音にかき消されてしまった。

甘楽の上に乗っている女子高生、なじみが言う。


「あ、この曲ね。 ここでセクシーに腰を振るの。 コレオグラファー(振付師)の先生が、うまいって誉めてくれたよ。 これも甘楽のおかげね。」


「はいはい。そいつは光栄ですね。」

甘楽は生返事する。


なじみの動きが激しくなり、甘楽が言う。

じゃあ、そろそろクライマックスかな。」


「りょーかい!」


なじみは曲に合わせて激しく腰を振りながら、大声で「あ、あ、イクイクー」と叫ぶ

なじみに合わせて甘楽も動く。



曲が終わったとき、同時に二人とも絶頂を迎えた。


甘楽はテレビを消す。



二人はそのまま全裸でベッドに横になっている。

「今日もよかったわ。」なじみが甘えた声で言う。



「ああ、俺もよかったよ。」

甘楽も言う。


なじみも甘楽も汗だくだ。

化粧をしていなくても、整った顔だちや大きな目は特徴的だ。


綺麗に染めている栗色の髪が枕の上に広がっている。



「甘楽、これからもエッチしようね。」

なじみが甘楽にささやく。


「まあ、なじみの仕事に支障のない範囲でな。ついでに世間様にバレないようにな。」

甘楽が答える。


「バレるわけないじゃない。エッチするのはマンションの中だけなんだし。避妊さえちゃんとしとけば、特に問題はないよ。」

なじみが笑う。



「ま、そうだけどな。俺もそれなりに忙しいしな。」

「これでもサーシャとアーニャに、あまり文句いわれないようにセーブしてるのよ。」


サーシャ。アーニャというのは3人のユニット、ノイジ―・セレニティのメンバーだ。 


「でも甘楽もすごいよね。国内有数のアイドルユニットの3人全員のセフレなんて。

日本一の幸せ者よね。」


なじみが笑う。


「国内有数のアイドルユニットって、自分でそこまで言うか。」

「だって事実だもん。」

なじみは口をとがらせる。


(セフレに関しては、本当は他にもいるけどな。)

甘楽は内心でつぶやくが、言葉にはしない。


なじみと甘楽は恋人ではない。

一応、ただのセフレということになっている。


「アーニャとサーシャはなじみのせいだろ。俺から口説いたことはないぞ。それに、あの二人は本津男にセフレなのか?やったのは事実だけど、そんなに回数はしてないぞ。」


甘楽は反論する。


「まあ、そうかもね。でも二人とも甘楽とまたエッチしたいって言ってるからね。


すごいよね。甘楽、そのうち、ファンの子に刺されないように注意してね。


甘楽が今死んだら、私、泣いちゃうからね。 欲求不満で。」



「泣く理由それかよ!」

甘楽は軽くなじみの頭をチョップする。


「だってえ。私をエッチに作りあげたのは甘楽でしょ。責任とってちゃんとエッチしなさい。」


「責任とるの意味が、普通と違うような気がするんだが…。」


馬鹿な会話をしながらまったりと余韻を楽しむ二人。


「ねえ甘楽。もう一回、する?」額に汗を光らせたなじみが誘ってくる。


「いや、辞めとくよ。公式SNSのチェックとか、やることもあるからな。」


甘楽はそう言って立ち上がる。

「俺はシャワーを浴びる。お前はそのまま帰れよ。」


「やったらそのまま逃げるのね。さいってい~」

「逃げるも何も、ここは俺の部屋だ。お前は帰れって。トモ姉が帰ってきたらややこしいしな。」


「ま、そうね。じゃあ帰るわ。また明日ね。」


「ああ、また明日、学校でな。」甘楽は答える。


なじみは手早く服を着て、甘楽のマンションの部屋を出ていった。


(ま、帰るといっても、隣だしな。ほかの二人がどう言うかは知らんが。)



甘楽はシャワーを浴びながら考える。


(ま、なじみが言う通り、俺もすごいことをやってるよな。 たった一年で、ここまで人生変わるもんかね。俺もみんなも。)


甘楽は回想を始めた。


(あの日、何となくハンバーガーショップに入ったことが、すべての始まりだったな…)



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こんにちは、お急ぎですか。

別に急いでいませんよ~ (元ネタは?)


作者です。


半年の沈黙を破って新連載です。


タイトルはさておき、あまり過激な表現はしていないつもりです。


お楽しみいただければ幸いです。

ハート、★、感想いただければ幸いです。

特に★があると作者は喜びますのでoお気軽にお願いします。

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