1年カクヨム

犬塚ゆわん@PLEC

【中2リレー小説】透明な花火に彩りを。

「ねぇ沙彩。一緒に夏祭り行かない?」


「えっ…」


「どーしたんだよ。予定があるなら他の人と行くから別にいーぞ」


「行くっ、行きます。行かしてください」

佑菜と行きたかったけど、

ひとりさみしくお姉ちゃんたちカップルの後ろをついていくよりはマシだろう


「おーそうか。じゃ、当日の4時集合な」


「うん!わかった。浴衣は着てく?」


「着てこーかなって思ってる」


「りょーかい。じゃあ私も着てくわ」


「じゃまたな〜」


「ばいばーい」

プツッ


「まさか透也の方から誘ってくるとはな…」

透也はそんなタイプじゃないと思ってたから意外だ


「なになにー?デートのお約束〜?」


「んなっ お姉ちゃん聞いてたの!?」

やばい、これは厄介だぞ


「おかーさーん、透貴ー! 沙彩がデートの約束してる〜!」


「お姉ちゃん!!何いってんのっ!?」


「まじまじ!とうとう沙彩にも春が来たか」


「相手は誰なのよ〜」


あぁ~ホラいわんこっちゃない。ちょーめんどくさくなっちゃったじゃん


「透也君だって〜」


「まじか!」「ほんとに!」


「もーかってに盛り上がらないでよ!デートじゃないから!」

そう言って私は部屋を出た

「ん〜確かここらへんにあったはず無んだけどな……… あった!!」

久しぶりに引っ張り出したから少し埃ぽかったがサイズアウトはしていないし、デザインも可愛い!


「よしっ一回着てみるか」

「おかーさーん!浴衣着るの手伝って〜!」


「あらあら、デートの準備?」


「だから違うって」


≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫



「よーし完成!!」


「結構疲れるわね」


「お母さんありがと!」


「はいはい、デート楽しんで〜」


「も〜、だからちがうんだって」


まぁいいや

思ったより似合ってる気がするな


「お母さんもこんなに細い時期があったんだなぁ」


「なんて言った💢」


「やべっ聞こえてら」


「そんな事言うならあげないわよ」


そう、この浴衣はお母さんから受け継いだものだ

まぁ正確に言うと

ひいおばあちゃんからかな。

おばあちゃんがひいおばあちゃんから

受け継いで、

それをお母さん、お姉ちゃんが受け継いで

私のもとに回ってきている


「結構年代物のくせに状態はいいよね」


「そうね〜ひいおばあちゃんも

おばあちゃんも、

ものを手入れするのが好きな人だったのよ」


「ふーん」


「だから大切にしてね」


「はーい」

まぁ言われなくてもそのつもりだけど


「あらぁ〜沙彩可愛いじゃん」


「お姉ちゃん」


「これなら透也君もいちころね!」


「あーはいはい」

もう否定するのもめんどくさくなっちゃった


「あれ、透貴君は?」


「ん?帰っちゃったよ」


「そっかぁ」


「なんで??」


「いや透貴君にも見せたかったから」

一応男の人からの感想も聞きたかったなぁ


「なになに透貴のこと狙ってんの?」


「んなわけないでしょ」


「残念だけど透貴は私一筋よ」


「ハァ😮‍💨」

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