体感すること

第28話

そんな日々を過ごしているうちに、6月になった。


今日は空手部の新入生歓迎会の日。


金曜だから、ばっしーもあたしも3限で終わるのだが、5限まである人もいるので、18時に部室集合だった。


「これで全員か?」


畑中雄太(はたなか ゆうた)教育学科2回生が聞く。


「1回生2人欠席だから、これで全員だ」


吉岡先輩が言う。


1回生はあたしとばっしー以外に、鈴木久志(すずき ひさし)教育学科、田中隆夫(たなか たかお)英文学科、の4人なんだけど、この2人が今日は不参加。


大学から2駅ほど離れたところにある、名山(みょうやま)商店街のとある居酒屋でパーティーは行われた。


「自己紹介いってみよう!」


先生のかけ声で、自己紹介をすることになった。


先生→2回生→1回生の順。


「1回生史学A、亀梨里衣です。出身は兵庫です。運動オンチですが一所懸命頑張りますのでよろしくお願いします。この子はあたしの相棒、ヘキサです」


ヘキサも紹介しておかないとな。


緊張しながら、あたしの番は終わった。


運動部のパーティーって無理やり飲まされるイメージがあったけど、そんなこともなく、ノリは熱いけどおだやか。

すごく楽しかった。


この名山商店街が、あたしの思い出の場所になるなんて、このときは思ってもなかった。

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