第7話 勇者 VS 魔王軍! そして、セリアの隠された力とは?

――翌日、王都の外れにある 「戦場」 に、俺は立っていた。


「ついに来るか……」


俺の視線の先、遠くの地平線に黒い影が広がっている。

それは、まるで波のように押し寄せる 魔王軍の先鋒 。


ゴゴゴゴ……!!


大地が揺れ、空気がピリピリと震える。

巨大なオーク、獣人の戦士、骨のような骸骨兵、そして空を舞う黒い翼の飛竜――


(いや、数多すぎだろ!?)


「……勇者様、大丈夫ですか?」


すぐ隣に立つ セリア・ルクレティア が、冷静な口調で問いかける。

彼女の長い銀髪が風に揺れ、紅い瞳が鋭く輝いていた。


「いや、全然大丈夫じゃねぇよ!! こんなのどう考えても無理ゲーじゃん!!」


正直、ここに来る前から 「ヤバい戦いになりそう」 とは思っていたけど、これは想像以上だ。

昨日まで普通の大学生だった俺が、いきなりこんな化け物軍団と戦えるのか……?


(俺、マジで死ぬんじゃね?)


「勇者様、ご安心ください。貴方には "本当の力" があります」


セリアがそう言って、スッと俺に手を伸ばしてくる。


「は?」


「昨日の決闘で目覚めた 『直感戦闘(インスティンクト)』 ……あれはまだ“第一段階”に過ぎません」


「第一段階?」


「ええ。勇者様はまだ、ご自身の "本来持つべき力" を完全には開放できていないのです」


そう言うと、セリアは俺の額に指をそっと当てた。


シュウウウ……!


突然、俺の体が熱くなる。

視界が一瞬、白く光に包まれ――


《勇者スキル『戦神の覚醒(ウォー・ゴッド・アウェイク)』が発動しました》


(またスキル!?)


脳内に直接響くような感覚とともに、俺の体が 軽くなる 。


いや、それだけじゃない。


周囲の魔王軍の動きが 遅く 見える。


さらに、俺の 全身に異様な力が漲ってくる感覚 があった。


「これが……俺の本当の力……?」


「ええ。さあ、勇者様――その力で "戦場を支配" してください」


セリアが静かに微笑んだ。


そして、魔王軍の前線――


「グォォォォォッ!!」


一際巨大な オークの将軍 が、大剣を振りかざしながら俺に向かって突っ込んでくる!!


(やるしかねぇ!!)


俺は剣を構え――


ズバァァァン!!!


次の瞬間、俺の一撃で オーク将軍が吹っ飛んだ。


(……は?)


俺自身も驚いたが、どうやら 完全に力が開花した らしい。


「こ、これ……スゲェ……!!」


手応えが違う。まるで ゲームの超強化モード に入ったみたいに、剣の一振りが尋常じゃない威力を持っている。


俺の一撃でオークが 数メートル も吹き飛ばされ、周囲の魔王軍の兵士たちが 恐れをなして後ずさる。


「ヒッ……!」


「な、なんだこの化け物は……!?」


完全に戦場の空気が変わった。


(やれる……! 今なら、俺……勝てる!!)


俺は剣を振り上げ、前線に突っ込んだ――!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る