雨宿り

「雨が強くなってきた」

 あなたの言葉の通り、視界は大粒の雨に覆われている。

 時折、葉に溜まった水が、ばたばた音を立てて落ちるから、雨宿りにはならない。

「寒くはないか?」

 首を振って、あなたこそ、と返す。

 足元を濡らす雨は、きっと冷たいはずなのに。

 あなたがいるから、私は温かいんです。


(2023/04/19)

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