【閲覧禁止】仮面舞踏会!!!

立花 優

第1話 仮面舞踏会

 ★★★ この物語りは、如何なる、個人、団体、タレント等に、一切関係の無い、あくまで作者の「妄想の産物」であり、完全なる「フィクション」である事をここに名言致します。



 今から、約4年ほど前、某有名ホテルの大きなロビーで、例年、恒例の「仮面舞踏会」が開かれた。全員、仮面の下に、大きな不織布マスクをしていた。新型コロナがまだ、大流行していたからだ。

 ここの床は、全面、大理石貼りである。光の反射が、イヤに眩しい。


 主催は、某テレビ局である。


 皆、仮面を被って優雅に、ワルツなど、踊っているが、最終目的は、その後の一晩の過ごし方なのだ。


 皆、若い社員から始まって、歳を喰ったジジイの偉いさん方も含めての、ほぼ、全員参加可能の「仮面舞踏会」なのである。


 この「仮面舞踏会」に出席出来るのは、某テレビ局の女子アナ、役員、テレビ局員、タレントの卵等、様々であるのだが、その参加条件が、特に医学的証明が厳しいので有名だったのだ。


 まず、STD(性感染症)や、B・C・D肝炎ウイルス感染、HIV(エイズ)等等の、無感染の医師の最新の診断書が必須条件である。

 新型コロナ検査も、当然なのだ。


 この段階で、数十名の人間は、この検査にパスせず、参加すら出来なかったのだ。


 何しろ、皆、参加者には、社会的に有名な人物が数多い。


 こう言う場所で、変な病気を貰う訳には、絶対に行かないからなのだ。



 やがて、約、1時間弱にも及ぶ、「仮面舞踏会」が終わった後、各々、気に言った男女同士で、各自の予約した部屋に消えて行くのだった。


 

 さて、その部屋で、一体、どう言う行為が行われるかは、書きたいのだが敢えて書かない。


 しかし、ある程度の想像力の働く人であるならばだよ。ここでの、変態プレイの想像ぐらいは、各自の「脳内変換」で、実に簡単に可能だろう。


 しかも、各個室で、例え、如何なる超変態プレイが行われようとも、全てが無罪放免なのである。……ここが、この「仮面舞踏会」の最大の欠点でもあり、逆に、参加する者にとっての動機の最大の理由でもあったらしい。

 更に、安全を期すために、このパーティ「仮面舞踏会」自体に、相当額の損害保険もかけてあった。最高額1億円の保証額だ。



 この事は、既に十数年前からの噂話で、知っている人達は、皆知っていたのである。



 もはや、積年の慣習だ。こうなると、もう誰にも、止めようも無い。



 この噂話を楽しみに、このテレビ局に入社してきた社員も多いのだから、この「仮面舞踏会」は、中止は絶対にできなかったのである。



 だが、いつの世にも、正義感を持った人間は、一人や二人は、いるものだ。


 

 自らを、「令和のチェ・ゲバラ」と呼び、この腐りきったテレビ界に一大革命を起こすべく、密かに、入社していた者が一人いたのだ。


 この社員は、元々、某週刊誌の記者だったが、実の父親が日本の大手三大銀行の副頭取であったため、この噂話の真実の検証の為に、父親のコネで、この某テレビ局に、再入社できたのだ。



 早速、この某テレビ局の内情を調べると、常識を疑う情報が次々と入って来る。



 女子アナの、アナを、その名の通り、単なる「穴」としか思っていないらしい。何と言う、人権軽視、女性蔑視なのか!「令和のチェ・ゲバラ」の怒りは、沸点に達していた。



 もう、これでは、人権侵害、女性権利の確保など、絶対に不可能だろう。



「この腐りきったテレビ局を、徹底的に、改革するのだ!!!」


 で、この「令和のチェ・ゲバラ」を自称する、長谷川雅彦は、ある驚愕の作戦を計画し、その実行を開始したのである。



 丁度、総務課人事にいたこの長谷川雅彦は、皆が嫌がる、「仮面舞踏会」の幹事役を、自ら買って出たのだ。



 で、今まで以上に、厳格な条件を課したのだ。



 参加希望女性は、全員、一ヶ月以上前からの、「避妊用ピル」の飲用の義務付け。


 更には、「仮面舞踏会」開催中での約1時間弱、一切の会話禁止なのだ。


 その変わり、相手の身体は、触り放題と大きくルールを変えたのだ。



 これにより、相手の、体格、胸の大きさ、肌年齢、統べてが、手からの感触により、確実に確認できるのだ。


 自分が、今晩、相手にする女性の、概ねの情報が手に取るように分かるのだ。


 だが、このルール変更に、賛成する者はいても、反対する者は、誰も一人もいなかった。



 更にだ。どうしてもカップルが成立しない場合、金銭や、高価な指輪のプレゼント等でのカップル成立も認められたのである。



 だが、ここからの話の展開が、この某テレビ局を、実は後後、奇跡的に救う事になる事は、誰も予想出来なかったのだ。



 何しろ、「仮面舞踏会」が終わり、最後のプレイが終わるまで、仮面は脱げず、声も出せないのだ。


 だから、自分が相手にしているのは、最後の最後の、仮面を脱ぐまで、絶対に分からないのだ。



 で、ある65歳超えのジジイの元に、若干、20歳前後らしい若い女性が、パートナーになって、個室に消えて行った。


 ここで、読者の皆さんは、ある疑問を持たれるだろう?

 何故、高齢のジジイが、それ程、若い女性をゲット出来たかをである。


 ここで、その種明かしをすれば、60歳以降の高齢のジジイが、参加していると言う事は、そのジジイ達は、当該テレビ局の、偉いさん達ばかりだと、完全に理解していたからだ。

 だから、この若い女性も、更なる、自分の地位の確立の為に、一緒に、付いて行ったに違いが無いのだ。いわゆる「枕営業」でもあったのである。



 しかし、「令和のチェ・ゲバラ」を自称する長谷川雅彦は、このカップルを執拗に追っていたのだ。


 既に、二人の泊まる個室には、隠し暗視カメラや、デジタル・ボイス・レコーダーと電波送信機が、忍ばせてあった。


 何故なら、この65歳超えのジジイこそ、このテレビ局の実権を握る現社長である事は、彼の脇のポケットにコッソリと放り込んである、電波送信機で確認済みでもある。


 この65歳超えのジジイが、社長室を出た時に、ワザとすれ違い、背広のポケットに放り込んで来たのだから……もう、100%間違いが無い。まるで、スパイ映画並みの早業だ。



 さて、例の個室内での、先程の二人の、書くのもはばかれる程の、変態プレイが、延々と行われていた。だが、その65歳超えのジジイ、いや、当該テレビ局の現社長は、何処か、奇異な感じを受けていた。

「果て、不思議な?」と、そう、感じていた。


 若い女性のあえぎ声が、どこかで、聞いた事がある気がしたからだ。



 で、最後の一滴を、若い女性の体内に放出した時である。


 つい、声を出してしまった。


「イヤー、やっぱり若い女性は、いい、いい、確かにいい!」


 だが、この声を聞いて、相手の若い女性は、大絶叫した。

「ま、正か、その声は、お、お、お爺ちゃんでは無いの!!!

 ギャーアアアアアアアアア、この私は、実のお爺ちゃんと、してしまった!!!」


 仮面を取った、その65歳超えの高齢ジジイは、

「お、お前は、大事に大事に育てた、孫娘の美波ちゃんじゃないか!!!」


 何と、彼女の実の祖父で、このテレビ局の現社長が、裏口で入社させて女性アナウンサーに抜擢した、○○美波ちゃん本人だったのである。


 この後、想像を絶する修羅の嵐が吹き荒れるのだが、唯一の救いと言えば、最初から、この○○美波ちゃんが、早い段階で「避妊用ピル」を飲んでいた事ぐらいか?



 この為、約、一ヶ月、女性アナの○○美波は、新型コロナに感染した事にして、テレビに出演出来なかった。



 しかも、その日から、3日後、現社長室に、速達郵便で、フラッシュ・メモリー1本が送られて来たのであった。「親展」と書いてあった。


 現社長と、実の孫娘の女子アナとの、生生しい行為中の動画、女子アナの絶叫、その後の二人の凄絶な修羅の場面、等が全て、完璧に録画されていた。

 パソコンで再生すると、ハッキリ、再生できたのだ。


 しかも、その中には、一通の手紙が、パソコンで書いて同封してあった。


「社長へ。直ちに「仮面舞踏会」を中止せよ。中止しなければ、この動画を、マスコミに、直ちに公表する。

令和のチェ・ゲバラより」



 当該この手紙により、現社長の鶴の一言で、長年の「仮面舞踏会」の中止が即決。

 また、この事実を、他人にバラした者、また、そのバラした噂のある者すら、即、クビが決定である。

 こう言う状態では、皆が、疑心暗鬼により、「全員が貝になった」のだ。

 

 この時の重大決断により、このテレビ局の闇は、永遠に封印されたのだ。



 しかし、「令和のチェ・ゲバラ」の行為は、今、日本中を揺るがしている、例の大問題を、未然に防いだのかもしれない。



 不思議な感覚で、そのニュースを、とっくに女子アナに復帰していた、○○美波は、淡々とした声で、そのニュースを、読み上げていた……。 

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