儚い約束

第1話



ぐらつかずに地を歩く9センチヒールのパンプス



薬局で手頃に購入したマスカラと桃色チーク



オフィスカジュアルよりは

黒のパンツスーツ



ちょっぴり高級なファンデと口紅



お気に入りのネイルサロン



ヘアメンテナンスと料理教室は

3週間に1度を交互にスケジュール設定



一人暮らしはギリギリ東京23区内



最寄り駅は各駅停車だけで充分



趣味はホットヨガとバレーボール




仕事がカレシなの、なんて言いつつ



金曜日はその帰り道に


きみと待ち合わせして、BARにいく。ほどよくお酒をのんで、ホテルでも、きみの家でも、わたしの家でも、ただの道でキスだけでも、なんなら化学室でも、なんでもいいからきみと過ごす時間もあればいいなあ。仕事をがんばったご褒美として。




未来はきっと今想像できているものよりもずっとずっと不安定で、霧が濃くて、何本にも枝分かれしていて迷うこともあるんだろう。


それでも幸せな理想を描くことをやめたくないわたしに



きみは今日「それでいいんだ」と、言ってくれたね。

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