指輪

カワリモノ、ってよく言われます。

どうしてみんなと違うことをするの？ってよく訊かれます

みんなが星空を眺めているとき、私は星空の映った水溜まりを見ています。

私が夕焼けを見ているとき、みんなは日の出を見ています。

カワリモノ！って怒られます。

離れていく友達もいます。

変わったことがしたいわけじゃないんです。

だだ――いくら尊いと行っても、無数の命の一つでしかない私だから……。

自分だけのものが欲しいんです。

みんなが見つけたことのない、私だけのもの。

誰かに分からせるためじゃなくて、自分が分かるためのもの。

段々、近づいてきたような気がします。

はっきりとは分からないけれど、遠のいたり近づいたり。

足音くらいは聴こえてきたんです。

そんな時、ふと気がついたんです。

私は私だけのものを見つけて、それを誰かに分かってほしかったんです。

最期まで私だけのものだったら――寂しいじゃないですか。

もう1人くらい、見つけたものを一緒に見つめてくれたら――嬉しいじゃないですか。

1人だけ、心当たりがありました。

長くなっちゃったけれど、雨降る庭を静かに見つめているあなたが好き。

だからこれ、受け取ってくれませんか？