第48話
私だって律のまわりにいる女の子のように甘えたり腕を絡めたり
したいのに。
持って生まれた矜持がそれを許さず、こんな可愛げのない女に
してしまっている。
「はぁ・・・ ・・ 」
言いたいことだけ言うとさっさと自分の居場所、律のいるあの
族のたまり場へと去ってしまった薫の背中を恨めしそうに追いながらも、これと言った行動も起こせない私。
ため息ばかりが零れ。
だんだんと瞼の奥が熱くなっていく。
「聖良・・・ 」
静かな声で私を呼び優しく髪を梳くのは愛しい人でも肉親でもなく。
「葵・・ ・・ 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます