第37話
私を見て駆け出して来た薫の頬はかなり腫れていて、駆け出し
はしないものの、泣きたいような困ったような、やり場のない
気持ちを持てあましているような律の表情も。
多分それぞれの性格の違いだろう。
だけど二人とも何度もごめんを繰り返し、交互に抱きしめてくれ
たのは私への愛情も入っているんだよね。
痛くて怖かった感情は彼らに抱きしめられるだけで薄れていき
太陽のようなあの人を忘れてしまっていた。
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