「間に合ったようやな。葵の腕は確かや…　」

現れたのは仕立ての良いグレーのスーツに身を包んだ長身の若い男だった。

瑞貴よりも少し年上だろうか。

薄茶のサラサラとした髪に綺麗に整った顔。

瑞貴よりも年上と思ったのは男らしい精悍さが入っているからだろうか。

男は私の傍まで来ると転がっている男の遺体を足蹴にし、縛られていた手足を開放してくれる。

「大丈夫か…？」

男の手が私の頬にゆっくりと手を差し伸べ優しく撫で上げた。

父や兄、律からもこんな風に親密な行為なんてされたことがない

私はどうしたら良いかわからず、ただされるがままで。

「こんな綺麗な顔に………　　」

段々と怒りの形相になってくる。

そして引き裂かれとこどころ露出している私の全身を視界に入れると自分の着ていたスーツを脱いで着せてくれた。

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