第20話

一瞬鼓膜が破れたのかと思った。

















 響き渡る不快な音が銃声だと気が付いたのは

男が口から血を流し小さなうめき声をあげ、

ドサリと私の上に倒れ込んだから。





そしてもう一人の男も同じように倒れ込んでくる。




驚きと苦痛に見開かれた目が私を見つめたのは

気のせいじゃない。






「いや!!」






慌てて縛られた手で振り払い何とか私の頭上に

倒れ込むのを防ぐ。







・・・・・・・






何とか助かったんだと一呼吸置き、周囲を見渡せば

誰もいない。




あちこち散乱し砕け散ったガラスの破片が見えるだけ。







「狙撃… ?」







中へ侵入せず、どこからか狙って撃ったと言うの?









東征会の人間だろうか。











次に訪れるべき足音を待てばゆっくりと扉が開かれ

複数の黒ずくめの男達が入って来る。

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