第6話

あの頃はまだ幸せの絶頂期で組の利害なんか

関係なく無邪気に過ごしていた私達。




大人と同じになってしまった瑞貴は

遠い存在になってしまったけど。



時々、思い出したように一言、二言話しかけ、

子供には分不相応のプレゼントを山のようにくれた。




「ありがとう。」




気にかけて貰えたのが嬉しくて御礼を言うと大きな手が

ポンと頭の上に乗せられる。





「良かったですね。お嬢  」




私付きの組員がプレゼントを抱え部屋まで運んでくれる。



父親は傍にいないけど、少なくとも兄たちは

私の傍にいて







私は心から笑っていた。

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