第一部

意外な再会

ドカッ！

誰かとぶつかってしまい、しりもちをついた。

「いったーい！」

「大丈夫ですか……？って、あっ！咲紀！」

その声に顔を上げる。

「え……？愁！？」

そこに立っていたのは、幼なじみの高校2年、津海愁(つかいしゅう)だった。

医者を目指しているので中学から、付属で入り、有名な私立春野(はるの)高校に通っている愁は、頭がいい。

主人公で高校2年である、槙田咲紀(まきたさき)は、普通よりまあまあ上の県立夏野(なつの)高校に通っていて、家から歩いて20分ほどのところ。

そんなこんなで、小学校まで一緒だったが、中学で離れたので会う機会が極端に少なくなっていた。

それなのに、5年ぶりぐらいで、こんな形で会うとは思っても見なかった。

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