『鬼に推し活』

「いやぁ〜しかし昨日は本当に凄かったな!」


「ああ!まったくだ!」

「うう!思い出したら今にも身体が踊り出しそうだ!」


鬼が昨夜の出来事を思い出す…。


コブを人質?に帰って来た爺さんが昨日とは別人だった。サングラスを掛けた、小太りの爺さん。


怒ったリーダーは、その爺さんを食ってしまおうとしたが、爺さんは意に返さず。持参したラジカセのスイッチを入れた。


披露される小粋なステップ。ダイナミックなダンス。興奮混じりの歓声が会場を飲み込んだ。


「ほれ!宝だ!持って行け!」


「そんな物は要らん…」


「何っ?!じゃあお前は何しに来たんだ?!」

「分かってるんだぞ!お前、昨日の爺さんと違うだろ!」


「昨日の爺さんはそんなに…」

「その…ぽっこりしてなかったぞ!」

「宝が欲しいんじゃないのか?!」


「配慮ありがとう」

「だが本当に要らない」

「ワシがここに来たのは、お隣の爺さんから聞いたからじゃ」


「?」


「ここに"熱狂したがってる観衆オーディエンス"が居るとな」


「きっ…生粋のアーティストじゃねえか!」


「ふっ」

「さぁ次のナンバー行くぞ?」


「?!」

「おい!急いで金棒持ってこい!」

「手持ちサイズの!光るやつ!」


…来週また来てくれるって!仕事頑張れるわ〜!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る