『ドキドキの初体験』

何事も初めては緊張するもので…あの日の事は今でも鮮明に思い出せる。あれは仮免を貰って初の道路教習。


「あー違う違う!」

「それは給油タンクだって!」

「そっちはボンネット!」

「やる気あんの?!」


「はい!あります!」


「うわ!びっくりした!」

「君、返事は良いな!」


「ありがとうございます!」


「褒めてねぇよっ!」


順調…では無かったが道路教習は進む。

「じゃあそこで一旦停まろう」

「ウインカー…」


教官が言いかけたその時。”ブオオォーン!!!!”車の横スレスレを猛スピードで走り抜けるスポーツカー!


「あぶねっ!何だ?!」

「君!クラクション鳴らさなくていいから!」


間髪入れずに。”ドンドンドン!”と窓ガラスを叩く音!

「今度は何だ…うわっ!」


「警察だ!」

「すまない!今の車を追ってくれ!」


「はい!」


「ちょっと君!待って!」

「あなたも!これ教習車!」


…しまった!つい運転代われ!って言っちゃったけど!追いつけるか?


しまった!強盗初めてで、盗んだ金を置いて来た!何やってんだよっ!俺!


しまった!銃持つの初めてで、弾入れ忘れた!強盗に追いついちゃったらどうする?


しまった!初めて助手席乗った!もしもの時はブレーキ踏んだ方が良い?

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