『ラーメン屋にて』
出張で地方に訪れた仕事終わり。夜の歓楽街。ふと立ち寄ったラーメン屋。
「いらっしゃい…」
おお!貫禄と雰囲気のある店主!店の面構えといい、これは…期待出来るぞ!
「あの〜メニューは…?」
「悪いね、ウチは醤油ラーメン一本でやっとるんですわ」
「!」
「じゃあ、醤油ラーメン一杯お願いします」
「あいよ」
良いじゃん!こだわってるって感じするじゃん!ふふふ…楽しみだ。おしぼりを握った手に力がこもる。
客は自分一人。酒は飲めない。お冷で乾いた喉を
しばらくして。小気味いい動きの湯切り。出来た!
「ほい、ラーメン一丁」
「ありがとうございます」
第二関節。それもう入れにいってない?店主の親指はスープにどっぷりと浸かっていたが、まぁこの際気にしない。これがこの店のルールなのだろう。
立ち昇る湯気。透き通った黄金色のスープ。細いストレート麺。具材に白髪ネギ、メンマにチャーシュー、煮卵。なるとも入って”昔ながら感”に拍車をかける。
「いただきます」
ビチャ。あ、マスク外すの忘れてた。笑う店主。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます