ヲムニヴァス【vol.2】

ヲザワリヲウタ

『鼻の下だと供述しています』

女性記者が中年男性にインタビュー。男性は”嘘を付くと鼻が伸びる”と言う身体的特徴を持っている。


男性は40年前に自身を主人公にした小説を発表し、大ヒット。そして40年経った今年、リメイク版の映画化が決定したのだ。


「…とまぁ、その時伸びたのは鼻だけじゃ無いんだがね」

「ガッハッハ!」


「あ、あははは…」


「ふう…何だと思う?」

急に真剣な表情になる男性。


「えっ?」


「その時伸びたの」

「…何だと思う?」


「…」

答えられない女性記者。ご満悦そうな表情の男性。


「うーん、難しかったカナ?正解は…」


男性が言いかけたその瞬間。女性の我慢が限界に達した。堪忍袋の緒が切れる。キレる女性。額に浮き出る血管。

「…すぎる」


「えっ?」


「キモすぎるっ!」

「黙って聞いてりゃあよ!キモすぎんだよさっきから!」

「その質問何回目だよっ!だいたいオメェよぉ…」


「き、君っ!失礼じゃないか!ワシにそんな口をきくなど…」

「ワシが誰か分かっておるのか!」

「こんな不快な気持ちになったのは初めてだ!」


「うるせえっ!エロジジイ!」

「…!」

女性記者が気付く。


男性の鼻が伸びる伸びる。それはもう張り裂けそうな程。ビクンビクンと脈打ちながらグングングングン。

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