とある村の葬儀マナー安心サポートブック
kayako
■■村の葬儀マナー安心サポートブック(※村外持出厳禁)
■■村の葬儀についてですが、他の地域と違いやや特徴的な風習があります。
ここでは特に注意すべき点をご紹介します。
◎ 服装について
男性の場合、お通夜は略礼装のブラックスーツ、葬儀・告別式では正礼装であるモーニングまたは黒紋付き羽織袴がマナーです。
最近の都会では葬儀でも略礼装であるブラックスーツが主流となっていますが、■■村では死者への礼儀として、男性は必ず正礼装であるモーニングまたは黒紋付き羽織袴を着用するようにしましょう。
洋装の場合は黒のモーニングコートに黒のネクタイ。和装の場合は足袋は白か黒、草履は黒です。
女性の場合、お通夜・葬儀・告別式通して黒無地染め抜き五つ紋付の着物がマナーとされています。他の地域、特に都会ではブラックフォーマルを推奨されていますが、■■村では葬儀における女性の洋装は厳禁とされている点に注意しましょう。帯の色は黒、帯揚げや帯締めなどの小物も黒、足袋は白、草履は黒です。
化粧は控えめで良いですがマスクはせず、唇が見えるようにして必ず口紅を塗るようにしましょう。後の儀式である「お籠り」が終了するまで化粧は落とせない為、淡い色ではなく濃い紅がおすすめです。
15歳未満の女性は洋装でも構いませんが、その場合スーツ・ワンピース・ストッキング・靴などを黒で統一するのは勿論ですが、下着は白のレースが推奨されています。
なお、15歳未満の子供であっても女性ならば、化粧と濃い目の口紅を忘れないようにしてください。大人たちに綺麗な自分を見せておきましょう。
男女共に、全体として清潔感のある装いとなるよう気を付け、女性は和装を心がけるようにしましょう。
最近の葬儀マナーブックなどでは「こうでなければならないという決まりはない」などと書かれていることが多いですが、■■村では決まり事が多いです。十分に注意を払い、故人に失礼のないようにしましょう。
◎ 火葬について
■■村では葬儀後、その日の夜に村の火葬場にて火葬を行ないます。
この時、葬儀参加者は全員火葬場まで参列するのがマナーです。
故人のご遺体との別れの場となりますので、村に籍を置くならば葬儀は勿論、火葬にも必ず参列するようにしましょう。
火葬が行われている間、故人の親族は火葬場近くの祠に入り、「お籠り」の儀式を行います。
祠は数多く設置されており、中には布団も二組用意されています。
初潮を迎えた女性は喪主の指示により男性と二人一組となり、神仏となる故人を悼む為に一夜を共にします(人数が合わない場合は男性一人に女性が複数、もしくは女性一人に男性複数がつくこともあります)
この時の組み合わせは喪主の判断、つまり故人の意思を託されたかたの指示によります。時には夫婦以外の組み合わせになることもありますが、全ては故人の意思。あの人がいいなどのわがままを言わないようにしましょう。
なお、この時の食事は親族以外の村の者が用意することになります。
担当を命じられたら調理の前に火葬場に赴き、故人の遺髪をある程度いただきましょう(詳しい調理方法は巻末に掲載)
この食事により「お籠り」の儀式が滞りなく行われ、故人の命は新たに生まれ変わる準備に入ると言われております。
※なお、精進落としの料理についてはお籠りの食事と違い、火葬後でなければ調理が出来ません。調理担当者は注意してください(詳しい調理方法は巻末に掲載)
◎ 火葬後
夜が明けたら火葬が終わっていますので、参列者全員でそのまま精進落としの席につきます。
■■村の火葬では骨上げ(収骨、骨拾い)は行いません。既にほぼ消失しているからです。
そのかわり精進落としのお食事には、火葬された故人の一部が宿っています。決して残したりせず、全て綺麗にいただきましょう。
少し固くて焦げ臭く、飲みこみづらいものがあるかも知れませんが、故人の供養です。我慢しましょう。
お食事が終わると故人は完全に神仏となり、その魂は参列者全ての身に宿り、新しい生命となって生まれ変わると言われています。
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