第15話

コクッ


小さくだけど頷いた


すると

フッと笑った声が聞こえてきた


そういえばずっと俯いたままだ


ちゃんと彼の顔が見てみたくて顔を上げた



「あっ…」



思わず声が出てしまった



『あ?どうした?』



私の呟きのわけがわからなかったのか


なんだか不満げだ


「あ…なんでもないです」


彼は切れ長な目に鼻筋が通っていて


髪は軽いオールバックの漆黒


思わず声が出てしまうほど整った顔だった

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