乱歩の美意識

第17話

乱歩ファン…それは私にとって安心する響きであると同時に、警戒する響きでもある。



私は乱歩のあらゆるモノへの美意識に陶酔して、耽美な空気を感じていたいタイプ(敢えて言うならば…)。しかし、そういう乱歩ファンは非常に少ない。

場合によっては「自殺願望のある危ない女」的レスを受けたりする。

下世話で嫌になる。



乱歩の美意識は、「生・死・恋・無機質・変身…」と一つには括れない。

よくエログロに集約されてしまいがちなのも、こういう雑多な要素が、十二分に影響していると私は感じる。



でも、乱歩自身はそれら総ては、どう解釈されようと、美しくなければ許せなかったのかも知れないと、最近思う。



乱歩の見つめる美しいモノ。同じ視線で私も見つめてみたいと思うのは…私が女だからかも知れない。

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