蝶々

第11話

今朝看護士さんが窓を少し開けて、風を入れてくれた。

熱の下がらない体に、冷たい風が心地良かった。



ふと気付くと、私のベッドの周りを、一匹の蝶々が飛んでいた。

あんなに狭い窓の隙間から入って来たんだろうか?



ひらひらと暫らく私の周りを飛んで、廊下へと出ていった。



蝶々…一説には死者の魂の化身とも言うらしい。

私に逢いに来てくれたのは誰?



また来て欲しい。やさしい蝶々。

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