変な夢
@Ascend55
親父の夢
オヤジが人を殴った。厳密には、膝蹴りを入れてから、拳で殴りつけた。
支払えなかった金を回収に来た業者の男だった。ニヤニヤとしながらも、ときどき鋭い眼差しで獲物を狩るようにその男はあらわれた。元はと言えば、僕が悪かったのだと思う。お金を稼がないかという、一通の手紙に反応した。何やら、詳しくは言えないが一撃で稼げる仕組みを知りたくないかという内容に電話をかけた。この世界の悪の仕組みに一矢報いるのだとか、電話口で言われて、アパートの一室で受けた説明は簡単に言えば保険金詐欺を働く事だった。僕は馬鹿な話に乗った。そして途中で怖くなって降りた。しかし、手付金やらなんだで10万円使って、更に保険商品を支払う金もかかってローンを組んだ。保険会社に出向いて契約をしたり、業務といわれるものを初めたら、心臓がバクバクして、罪悪感で身体が動かなくなった。
その男は、自分の通っている柔道道場まで現れた。そこに、親父が現れた。何やら男から話を聞いて、事情をしっている友人からも話を聞いたオヤジは突然、
「組手お願いします!」と叫んだと同時にその男に膝蹴りからパンチを浴びせた。
そこで目が覚めた。夢だった。あの頃の親父を思い出した。怖かった親父。正直ウザいと思っていた。今ではすっかり威厳も何もなくなって、親父があんなだったことなんて忘れていた。
嬉しかった。親父が僕を守ってくれた。リアルな夢だった。
変な夢 @Ascend55
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