凡人高校生、クラス転移で心機一転全力で強くなろうとする話~普通な俺が最強を越えるまで~

@1910ikuto

第一章 異世界転移編

第1話 日常

ピピピピッ、ピピピピッ


 「あ~寝む」


今日は月曜日、人にとってこれほど憂鬱なものがあといくつあるだろうか。

俺こと神崎涼は月曜日が来るたびそう思う。あ~だるい、二度寝するか。


―5分後


ピピピピッ、ピピピピッ

…アラーム5分おきに鳴る設定マジで許さん。

そしていやいやながらも、ベッドから降りて階段を駆け下りる


「今日は起きるの遅かったわね」


と母が食卓に皿を並べながら言う。


「最近、どーも疲れがたまりやすくてね」


と俺は冗談混じりに言う。


「また、そんな年寄りみたいなこと言って、ただでさえちょっと人より老けてるんだから」


老けてねーよ!


「母上は、朝からそんなこと言えるなんて、まだまだお若いっすね」

「あら、そうかしら!うれしいわ!」


…皮肉だよ!


「あってか、飯できた?」

「はいはい、今持っていくわ」

「あざーす」


そして、朝食が並べられ、パンを頬張る。

それが終わり次第、支度やらなんやらで気が付けば玄関にいた。


「行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい」


 家を出てしばらく歩くと、俺の友人、相川天哉に出会った。


「うぃ~す!!!」


…朝からテンション高ぇなこいつ


「うっす」

「どした、どした朝からテンション低いな、もしかしてまた夜中まで女子と通話か?」

「そんな事実ねえよ!てかまたってなんだよ、またって。一度も女子とそんな甘酸っぱい感じになったことないわ!」


と俺は若干切れ気味で言う。


「自分で言ってて、悲しくないのか…それ?」

「…うるせぇ」


それを言ったとき、天哉は俺に精一杯の憐みの目を向けてきた。


「べ、別にそんなの無くたって俺幸せだし、大体高校生で恋愛なんてまだ早いとおもうんだよ俺は!」


必死に言い訳する俺。

そんな俺を見兼ねたのか、天哉は手を俺の肩に置き、ただ一言。 


「頑張れよ、親友」


そして、友人は何とも言えぬ顔をしていた。

…解せぬ


 「りょうちん、相川おはよ~」


「おはよう」


たくさんの挨拶が飛び交っているここ、阿賀山市立麻間高校の2年3組は、今日も賑やかであった。

ちなみに先ほどの挨拶は、わがクラスが誇る唯一のギャルこと羽場美羽さんである。


「なあ、ずっと前から思ってたんだけどなんで涼はあだ名なのに、俺は名前なの?」


それは俺も気になっていた。


「だって、相川はチャラいし、女好きだし、ちょっとね~」

「ぐはぁっ!」


なるほどw


「くっwww」


俺は必死に笑いをこらえる。


「おい、涼っ!何笑ってんだよ!」

「だってwお前wwははっwww」


もうダメ、死ぬw

その時、ひとりの男が入ってきた。


「みんな、おはよう!」


さあ、今入ってきたのは、現生徒会長、すべての女性を虜にする甘いマスク、そしてさらに高身長、好成績、運動神経抜群の男こと阿久津勇司。

まじで、こいつ漫画の世界からきたのかよ


「ちょっと、勇司聞いてくれよ」

「どうしたんだい?」

「こいつらが俺のこといじめてくるっ」


あ、こいつちくりやがった


「それは、天哉が悪いね」

「なんでだよ!」

「wwwまじうける」


…なんか、こいつガチでかわいそうだな


「西島さん!おはよう!」


そして、阿久津はクラスで、いや学年で最も美人と言われているクールな女性、別名氷姫こと西島麗華に話しかけた。


「おはよう」


とても淡白な返し、だがしかしとても凛とした声でめっちゃいい


「おはよ~麗華!ところで古文の予習した?」

「したけど、貸さないわよ」


西島さんは、真顔で言う。


「ガーン」


そして、羽場は悲しそうな顔で、西島さんを見つめる。


「そんな顔しても貸さないわよ」

「ケチ!分からず屋!冷酷女!」


その瞬間、クラスの空気が一気に凍った。


「は?」


とてもいい顔で西島さんは立ち上がり、羽場の肩にポンッと手をおいた。


「誰が冷酷女だって?」

「ヒィッ!」


うわぁ~こりゃ死んだな。南無


「あははっ」


これには、阿久津も苦笑い。

今のとこ、後ろで天哉だけが爆笑している。


「今日という今日は絶対に許さないわよ」

「お願いします、氷漬けだけはご勘弁を」


今まで、何されたんだこいつは…

その瞬間、突如床に魔法陣のようなものが浮かんだ


「「なんだ、なんだ!」」


まわりが一気にざわめきだす


「西島さんさすがにこれはやりすぎなんじゃ?」

「失礼ね、私がこんなことできるわけないでしょ」


そう言って俺たちは苦笑いを浮かべた。


「ですよね」


そして、意識が暗転した。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る