第2話
部活が終わり菅野くんの方に行くと、菅野くんの隣には女遊びで有名な伊達くん。
「椎夏ちゃん、こんにちはー」
菅野くんと同じくらい、大きい。
菅野くんのが大きいけど。
「これが保の彼女?」
「そう、椎夏。超可愛いだろ」
「うん、可愛い。そして身長差すごくない?」
それ私のコンプレックスです。
「小さくて可愛いんだよ」
菅野くんはそう言って私の頭を優しく撫でる。
「ふーん……」
そして私と目を合わせニコッと笑う。
「女たらしの伊達
自分で言っちゃったよ……!
と、ビックリする私を見て菅野くんはため息。
「椎夏、きにすんな。こいつの彼女、生徒会の片岡先輩。
実際は彼女以外に興味ゼロの超一途男子だから」
いやいや、でも。
この人が女の子と手とか繋いでいるのは、よく見る光景なのですが……?!
しかし伊達くんを見ているとどうやら嫌な人ではないらしい。
「じゃーな、保。明日は遅刻すんなよ」
「あー……、まぁ、できたらな」
そう言って手を振って、菅野くんは私の手を握る。
「じゃ、帰るか」
小さく頷くとまた優しく笑って、下駄箱に二人で向かった。
多分みんなの言う通り、私達ってそれなりに仲良くやってる気がする。
だけど、不思議なことが一つあった。
「菅野くんさ、いっつも遅刻だよね」
私の質問に「あぁー」と軽く頷く。
「朝、起きれないの?」
「いや?そんなことねーよ」
だよね、だって菅野くん、なぜか昼食はいつもお弁当だもん。
一緒にお昼を食べる時、「お弁当なんだね」って言ったらなぜか恥ずかしそうにされた。
「自分で作ってるの?」って聞いたら「まぁ、」って赤くなってた。
スゴイねって言ったらなぜか話を反らされたし。
その他にもこの間、放課後、ゲーセンに誘ったら、お金がないって断られた。
そして放課後はゲーセンに限らずどこにも寄らないで真っすぐ家に帰る。
私は電車で菅野くんは徒歩だから駅でお別れだし。
その徒歩ってゆうのも、かなり謎だ。
遅刻ギリギリなんだから自転車に乗れば良いのに、いつも徒歩で登校。
「じゃーな、椎夏」
「うん。バイバイ!」
優しくて楽しいけど、だからこそ、小さくて細かい所が気になってしまう今日この頃です。
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