第11話 殺し屋次はや
古民家と殺し屋
古民家を後にした当真は、次の目的地へと足を向けた。それは、地元の古老から聞いた、殺し屋が隠れ住んでいるという山荘だった。古老の話では、その殺し屋は、かつては組織のトップとして君臨していたが、今は静かに余生を送っているとのこと。
山荘に到着すると、そこは深い森の中にひっそりと佇んでいた。古ぼけた木の扉を恐る恐る開けると、中は薄暗く、埃っぽい空気が充満していた。
「いらっしゃいませ」
どこからともなく、低い声が響いた。振り向くと、そこには白髪混じりの老人が座っていた。彼は、鋭い眼光で当真を見つめている。
「あなたは…」
「私は、この家の主人だ。君が来るのを待っていた」
老人は、そう言うと、ゆっくりと立ち上がった。当真は、その老人の身のこなしに、かつての殺し屋の面影を感じた。
「あなたが、殺し屋の方ですか?」
当真は、恐る恐る尋ねる。
「その通りだ。だが、今はもう、殺し屋ではない」
老人は、そう言うと、静かに微笑んだ。
「なぜ、ここに?」
「私は、この地に隠れて暮らしている。そして、この地の秘密を守っている」
老人は、そう言うと、当真を奥の部屋へと案内した。部屋の中央には、大きなテーブルがあり、その上には、様々な古文書が散らばっていた。
「これらは、この土地の秘密を記した書物だ。君にも、いつかこの秘密を託したい」
老人は、そう言うと、当真に一つの書物を手渡した。
「この書物には、ミズチの真実が書かれている。そして、この土地に隠された大きな秘密も…」
新たな謎
書物には、ミズチがただの怪物ではなく、この土地を守るための存在であることが記されていた。そして、ミズチには、ある大きな力が宿っているという。
「ミズチの力…?」
当真は、書物に書かれた内容に驚きを隠せない。
「そう、ミズチの力は、この世を滅ぼす力でもある。その力を悪用しようとする者たちが、昔から存在した。私は、そんな者たちから、この土地を守ってきた」
老人は、そう言うと、深いため息をついた。
「しかし、私の力ももう限界だ。君には、私ができなかったことを成し遂げてほしい」
老人の言葉に、当真は決意を新たにする。彼は、ミズチの力、そしてこの土地の秘密を解き明かすため、新たな冒険へと旅立つことを決意した。
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