亡者のワルツ

　さあ、踊りましょう、踊りましょう、二人のワルツ。

　手をホールドして見つめ合って、ちょっと刺激的な自然の色で綺麗な円を描きましょう。

　爛漫に色付くこの舞踏会で、精一杯の光と目を集め、擦り合う一刹那の夢を抱き合いましょう。

　そうして、心も身体もドロドロに溶かして、バラの様に美しい自分に犯されたい。

　それはきっと、気持ち良いから。

　さあ、笑いましょう、笑いましょう、一人のワルツ。

　真っ赤に燃える身体寄せあって、ちょっと刺激的な私達の美で綺麗な花を咲かせましょう。

　爛漫に花咲くこの舞踏会で、精一杯の生と美を集め、削り合う一刹那の夢を抱き合いましょう。

　そうして、息も出来ないくらいに濃厚な貴方の全部で、飢えた私を満たして欲しい。

　それはきっと、苦しいから。

　さあ、歌いましょう、歌いましょう、亡者のワルツ。

　二人金色に混じりあって、一刹那な美に唄いましょう。

　そうして、馬鹿な心を救われたい。

　それはきっと、辛いから。

　さあ、踊りましょう、踊りましょう、亡者のワルツ。

　これはきっと、とっても気持ち良くて、とっても愚かな亡者のワルツ。

「貴方に・・・見て欲しい、だけだったのに……」