玩具になりたい私を拾ってくれたのは年下くんでした。
@nnn-0411
玩具になりたい。
いいなぁいいなぁ、あああぁ、羨ましい!!!
ペットショップにいる犬を見ながらそんなことを考えている私。
26歳、会社員、彼氏なし…。
そんな平凡な人生を謳歌しているのが私、四宮ゆか。
彼氏なんて社会人になってから出来たことないし、出世をしているわけでもない。
大学の時の友達たちは次々と結婚している。
結婚式の招待状を見るたびに、またひとつ大きな壁が出来たように感じる。
そんな私が、なぜペットショップの犬を見て羨ましいだなんて思っていたのか。
それは私がペットになりたいから…!
とにかく愛されて、世話されて、一生お家で過ごしたい…!!会社なんて辞めてしまいたい!
そんな考えをしているからである。
「はぁ…」
疲れているのか自然とため息が出てしまう。
平凡なはずの私に、後輩が出来たからである。
こーゆうのは基本的に頼まれることがなかったため、正直油断した。
____数時間前____
「そーだ!!今日から新入社員がくるんだった!」
部長が突然そんなことを言った。
8月に新入社員は珍しいというか特例すぎるため、私や他の社員たちもびっくりしていた。
この時期に新入社員?ありえるか??なんて声がチラホラ聞こえる。
まぁ、私に関係はないしどーでもいいかって思っていた。
「今日から新入社員として働いてもらう、立花しおんくんだ」
「立花です!よろしくお願いします!」
ニコニコしながら挨拶をしている立花くん。
正直に言えば、かなりの美形で騒がれそうな感じであった。
実際、女性社員はきゃーきゃーとはしゃいでいるのがわかるし。
「四宮!今日から立花の担当よろしくな!」
部長がなにやら訳の分からないことを言ってくる。
部長、頭おかしくなった…?
「えっとー…?」
「だから、今日から四宮が立花の担当!!」
やっぱり頭がおかしくなっているみたいだ。
なんで私が担当?え?他にもっといい人いるでしょ?
「四宮さん…!よろしくお願いします!」
こっちまで来てニコニコ挨拶をしてくる立花くん。周りの目が怖いです。
「あー、よろしくお願いします」
無視はできないため、とりあえず私も挨拶しておいた。
それにしても近くで見たらよりイケメン度合いがわかるものだ。
びっくりするほどに整っている。
たぶん会社1である。
そんなこんなであっという間に1日が終わった。
教えることがいっぱいあったし、やらなければならないこともいっぱいあった。
ただ、立花くんが優秀すぎて。
1度教えれば、すぐに出来るようになる子だし。なにより、愛嬌が素晴らしい。
取引先に行った時も、あっという間に打ち解けた。
これはもう、私が教えることもすぐ無くなるであろう。
それが何よりも嬉しかった。
なぜなら、私を見る社員たちの目が明らかに変わったからである。
今までは平凡すぎるあまり、誰からも注目されることはなかったのだが、立花くんが来てからは、「イケメンの隣にいるあの平凡なやつは誰?」って目を向けられている。
まぁ、ある意味注目されているというわけである。
早く逃れたいため、立花くんの頑張りが鍵になっている。
立花くんも、私みたいなやつと噂されたりするのは嫌だろうし。
玩具になりたい私を拾ってくれたのは年下くんでした。 @nnn-0411
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