つとめ

@pyuritan

第1話 月明かりにてらされて

 昨日のあれは何だったのだろう!!

 何度考えても答えは出ない。

 私は一度あの場所を見た、あるいは感じたことがあったはずなのに。でも、どうしても思い出せない。真実を知りたい!切実に感じてる!!


 2025年1月も、もう終わりに迫っている。私はあせってる。小学2年生の頃から塾にかよい、あまり「遊ぶ」という行為に浸った経験が少ないせいか、友達作りが得意じゃない。人と接するのは学校という場所のみで、それ以外の時間は机にむかうかベッドでごろごろするかの2択だ。ゲームはしない。理由はつまらないから。だから、他人との接点を見つけづらく、周りは5,6人で固まって笑顔でおしゃべりしていても、私はいっつも陰でいる。

 でも、生まれつき運動神経だけはよく、中学生の頃から地元のスポーツクラブに通いつめ、水泳をがちってる。有名私立にかよってるから、通学には時間がかかるけど、なんとか勉強と水泳の両立はできてるはず。

 それでも、今中学三年の私は、とても気にしていることがある。3か月前くらいから私も容姿を気にしだし、(いわゆる)垢抜け時期もこえたのに、恋人ができない。(数少ない)友達のひかりちゃんも、すでにいい感じの子がいるらしい。ずっとインスタで、DMしてるのを横目に、ため息をつく日々も疲れてきたところだ。いつまでひかりちゃんと学校生活をおくれるかもわからない。「来週、こくる」っていってたような。


 ある日の深夜、私はクラブチームの練習が終わり、自由に道を自転車でぶらついたところ、あることに気づいた。


 道に何か落ちてる。

 

 いや、猫だ!

 

 何色だろー。    わかんない


 とりあえず急いでないし猫と仲良くなってみるか!



 その行為で後々後悔するなんて思ってもいなかった。

 

 暗闇の中、猫の目には丸くきれいな満月がうつっているのであった。

 

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