2日目 朝

第27話

朝になったら、賢人は横で寝ていた。


 仰向けに。


 薄くなりつつある髪は乱れ、髭が濃くなり、年相応に見える。



「由梨、起きたの?」



 まだ賢人の目は開ききっていない。



「もう一回する?」



 カーテン越しに朝の光が部屋に入り、ベッドの周りに脱ぎっぱなしの賢人の洋服や、使ったティッシュが散らばっている。



「朝は無理」



 上半身を起こすと、すぐに賢人は私の太腿に頭をのせてきた。



「いつの間に、パジャマを着たのさぁ」



「落ち着いて眠れないし」



「由梨らしいなぁ」



 賢人はうつぶせになり、枕に顔をつけた。



「もう少し寝る。飛行機は11時だった?」



「そうなはず。私、散歩してくるね。麗奈に電話もしたいし」



 少し間が開き、



「ここで話せばいいさぁ。俺にも替われよ」



 賢人は顔だけこちらにむけた。



「無理だよ。お母さんに賢人と一緒にいることを知られたら、なんて言われるか」



「いいさぁ。俺達、やり直すんだし」



 賢人がにやっと笑う。



「やっぱり、もう一回しようよ、由梨ちゃん。朝だから俺、ばっちりいけるし」

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