ご安全に！　～こんな骨折シチュには気をつけろ～

　いつもお世話になっている方も初めましての方も、こんにちは！　ついにやってきたで、カクヨムコン10：お題で執筆!! 短編創作フェス、【お題「骨」】や！

　うちも、やれガールズラブだの異世界転生だの書いとるけど、これでも一応骨折治療の専門家の端くれでもあるんや。う、嘘やないで、ほんまやで！　そこで今回は日頃の感謝も込めて、「こんな場面で骨折すると悲しうなるから気い付けてや！」ちゅう奴をご紹介するで。何気ない日常に潜む骨折受傷シチュエーション、参考にしたってや！

①殴る

　これ、結構折れるんや。グーで殴ると、中手骨いうて拳の出っ張ったところが、くの字に曲がって折れるねん。うちの経験では、なぜか若い女の子が多いなあ……何を殴ったん、って訊いても大抵答えてくれへんけど、どうやら壁やら彼氏やらを殴ってるみたいなんやな。教えてくれんから診断書には「物を殴って受傷」としか書けへんけど、まあパートナー殴ったとか細かいことは保険会社さんも興味ないやろうから、こっちも根掘り葉掘りは聞かんけど。ただなあ、後から裁判資料にするいうて弁護士事務所さんからカルテ開示求められても、こっちは本当の事教えてもろてへんからなあ……

　この骨折、変形したまま放っとくと指があらぬ方向に曲がったままになるっちゅう後遺症が残ることがあるんで、結構手術になる事が多いんや。細い針金を刺して固定するんやけれど、時間かかるし手がしばらく使えんくなるしで結構困るで。せやから痴話喧嘩になってしもうた時は、拳で殴るんやなくて物を投げるか道具を使うんや、霊長類やからそのくらいの知恵は使うたってええやろ。まあ物書きやったら、言葉で相手を納得させるのが一番なんやけどな。とにかくグーパンは避けるんや、うちとの約束やで！

②落ちる

　落ちて骨折する、やっぱ多いねん。何から落ちるか。うちがよく出会うのは脚立（きゃたつ）やなあ……脚立にまたがったり天板に立つのはダメ、ちゅうのは知っとるよな？　知らんかったら、絶対ググって画像チェックしとき。高さ80センチ未満のものは踏み台いうて、こっちは天板の上に立ってもＯＫやで。脚立から落ちると、あらゆる骨が折れる可能性があるねん。手首、足首、太もも、腰、首、もちろん頭蓋骨は特に危険やで。脚立は正しい使い方したってや！

　あと想像つくと思うけど、椅子からの転落も多いねん。蛍光管や電球の交換、押し入れの上のものを取り出すときなんか、椅子の上に乗りがちやからな。まさが座面がくるくる回る奴の上とか、キャスター固定しないままで乗ったりせえへんよな？　素人がスケボーに乗るのと同じくらいリスキーやで、悪いこと言わんから安い奴でも踏み台一個買うとき。あと小さい子供ちゃんは椅子からよく転落するで、要注意や！

　あとはそうやなあ、雪国では屋根の雪下ろしなんかするんやろうか。きちんと命綱とかハーネスとか付けるんやろうけれど、あれも危険やな……もっともうちは九州なんで雪については困らんのやけど、農業市やから台風の時に畑の様子を見に行って用水路に落ちる、なんてのはあるなあ……手塩にかけて育てた作物やから気持ちはようわかるけど、通り過ぎるまではおとなしくしとき。

③転ぶ

　転んで骨折、もちろんぎょうさんあるで。カクヨム読んではるのは比較的若い人が多いと思うねんけど（20～50歳くらいがメイン層かいな）、若い人かて結構転んで骨折するで。

　要注意場所は、意外かも知れへんけど、コンビニとかスーパーにある車止めブロックや。反射板が埋め込んである奴もあるにはあるんやけど、あれって夜は特に見にくいねん。前のめりに倒れると、手をついたら手首が折れるし、膝をつくと膝蓋骨（膝のお皿）が割れるねん。どっちもずれが大きかったら手術が必要や。特に夜の駐車場では、車の後ろを通ったりショートカットするよりも、車の発進に気い付けながら広い前の道を歩いた方が無難やと個人的には思うで。

　次はやっぱり歩道の段差やな。横断歩道から外れたところを渡ろうとすると段差を越えなあかんやろ、走って渡ろうとする時が特に危ないんや。やっぱり多少手間でも横断歩道まで歩いた方がいいと思うで、カロリー消費にもなって一石二鳥や。段差で折れやすいのはやっぱり足首やな……ひねると足首の外側が特に折れやすいねん、足関節外顆骨折ちゅうて手術が多い場所や。交通ルールはきっちり守ったほうが、精神的にもお得やしノーブルな雰囲気にひたれるで！

④事故る

　事故はやっぱり避けたいところや、歩いとるだけでも交通事故は起きるさかいな。相手のスピードが乗っとると、かなりひどい骨折になることもある。歩行者優先なのに車がグッと出てくる、むかっ腹が立つ場面やとは思うねんけど、そこは我慢してこちらが一旦停止してやり過ごすんや。人は乗り物に勝ち目あらへん、こちらが一方的にやられ損になってしまうさかいな。クソが、と一言心の中で唱えたらもう怒りは捨てて、推しの事でも考えながら感情を切り替えるのが、結局はお得やと思うで。

　さて、自分が乗り物を運転しとっての骨折。これは場合によっては悲惨や。

　もっとも気い付けんといかんのは、やっぱり自転車やろなあ……2026年中には傘差しや片耳イヤホンでも交通違反になる予定や、片手運転はもちろん危ないし、聴覚っちゅうのは周囲を認識するうえでとても大切やで。風の音を聴きながら無心で漕ぐ、これぞ現代のクールサイクリングやで、弱虫ペダルの世界やで。ペダリングに集中する姿こそ最高に格好いいやろ！　もちろんスマホ見ながらとかご法度やで、自殺行為や。自転車は自分が全く悪うなくても、横道から歩行者や車が急に出てきて危険にさらされることがあるねんから、やっぱ自衛できるものは自衛するに越したことはないと思うわ。

　個人的に最もリスキーな乗り物は、バイクやと思うねん。自転車もそうやけど、スピード出る割には防御力が紙やねん。K＝1/2mｖ²、定期テストで物理5点を取ったことがあるうちでも知ってる公式やで。運動エネルギーは質量×（速度）²×0.5ちゅうことやから、自転車よりもバイクの方がやばい骨折になるっちゅうのは分かってもらえるんちゃうかな。スピード出るのに全身さらしてるんや、車よりも危険やで。うちが見たことあるのも、本当にひどい骨折はバイクか高所転落やな。ちなみに飛び降りスーサイドは人様に迷惑かける上に失敗すると後遺症ひどいで、ドントトライかつ信頼できる人に悩みを相談して欲しいねん。

　話それたけど、足の骨が折れて皮膚から突き出してる、なんてのはほぼバイクやな。もちろんバイク乗りはヘルメット被ったりなるべく厚い長袖のアウター着たりなんかして気い使うてるんやろうけれど、さっきも言ったように相手から一方的にぶつかられることもあるんや、どんなにうまいバイク乗りでもやっぱり危険はあるで。

　うちは免許を取ったとき、バイクだけは乗らんように親にきつう言われた。ずっと反抗期が続いとるうちのことやから、もちろん当時はもっと反発したもんやけれど、いまなら親の気持ちが少しは分かるで。やっぱり自分の家族にはバイクに乗るのは勧めんし、うちも今後も乗ろうとは思うてない。本当にバイク事故はありえへん骨折が起きるんや、首の骨がずれたり（脊髄損傷で一生四肢麻痺の可能性ありや）、ひざ下から全部を皮一枚残して持っていかれたりなんかしたら、相手を責めたところで取り返しがつかんのや。なんかバイク乗り達にはきつい話になってしまってすまん、誰にも迷惑かけてない個人の趣味を否定するつもりはさらさらないで。ただ大切な人がおるんやったら、せめてくれぐれも安全運転で頼むわ。あんただけの身体やないさかいな。

　自動車に関しては、シートベルト着けてれば比較的安全や。もちろん相手に与えるダメージはでかいから、気い付けて運転せなあかんのは変わらんけどな。あ、もちろん後部座席もシートベルトはつけるんやで、特に高速道路を走ろうっちゅう時は。後ろに座っている子供ちゃん、シートベルト付けてないと衝突したときに、前の座席乗り越えてフロントガラス突き破って車外に放り出されるで。速度の二乗や、運動エネルギーなめたらあかん。自分がシートベルト付けないんは、もう救いようがないで。脳損傷、肺損傷、臓器破裂、股関節脱臼、四肢多発骨折何でもありや。命が助かっても、結構な後遺症で多分生き地獄やで。いや、治療する方や親族もけっこうな地獄やねんけどな。大した手間やないんや、人様に迷惑かけん人生を歩んで行こうやないか。

　ざっくり以上や。ちょっと憂鬱な話もしたけれど、骨折なんかしないに越したことあらへん。骨折の種類にもよるけど完全に元通りに治るっちゅうことはそれほどなくて、動きが悪くなったり痛みや変形が残ったりスポーツが出来んくなったりと、何らかの後遺症が残ってしまうこともちょくちょくある。仕方がない時も確かにあるんやけど、注意一秒怪我一生っちゅう言葉もあるし、ほんのわずかな注意が自分の人生を救ってくれることもあるんや。互いを思いやりながら、怪我のない人生を送ろうな！

　ちょい宣伝にはなるんやが、うちの連載エッセイ「医療で間違わないために」絶賛連載遅延中なんやけど（堪忍やで）、打撲と捻挫、それにプラスして骨折に関してはだいたいまとまっとると思うとる。万が一あんさんが怪我して自分の身体が心配な時は、該当箇所を覗いてみてな。そん時は怪我して落ち込んどるやろうから、♡とかの評価なんかもちろん不要やで！　あと、治療してもらう医療機関はしっかり選んでな、その辺のコツも少し書いとるさかいな。

　そんじゃこの辺で終わるわ、「骨」をお題にしてくれた運営様には感謝やで！　あと、九州住みなのにエセ関西弁でエッセイ書いた件については突っ込みは無しや。

　ほなこれで！