鍛えぬいた肉体も、ナイフには勝てない――。そんな前世(ボディビルダー)の経験を踏まえ、悪魔のはびこる世界に転生した威嚇は、再び身体を鍛えていた。精神と肉体の限界を超えた高みを知るため、そして、孤児である自分を拾ってくれた赤井家へと恩返しをするために。
その世界には悪魔がいた。
悪魔と戦う専門家・悪魔祓い《エクソシスト》も。
赤井家は、悪魔祓いを担う由緒正しい貴族の一門である。威嚇は赤井家への忠誠を誓い、ひたすら悪魔祓いになるためのトレーニングに明け暮れる。体を鍛え、射撃を極め、魔術を試し……しかし、威嚇には重大な欠陥があった。魔術の才能がなかったのだ。
魔術が使えなければ悪魔祓いにはなれない。そんな常識を覆し、己の肉体と磨きぬいた武術で悪魔を渡り合うようになった威嚇は、やがて血炎の殲滅者《コーラル・ターミネーター》を目指すようになる。
これは、魔術なしの努力によって悪魔を屠り続ける男の、忠誠を貫く物語。そして、復讐のための暗く血に塗れた殺戮の物語。
息もつかせぬアクションバトル、失われてもなお鮮やかな日常の風景……。
間違いなく今一番面白い小説のひとつである、至高のダーク・ファンタジーから目が離せない!