母親を殺され激怒した僕はこの狂った世界を戻す

ぷりず

第1話 狂った世界

この世界は、実力がものを言う世界だ。全員が能力を所持しており、その強さや汎用性の高さは異なる。そしてこの世界は狂っていて、強者は例え人を殺したって罪に問われない。そんな狂った世界で僕は生きていた。





僕、涼風 一(すずかぜ はじめ)は、特にあてもなく深夜外を出歩いていた。その時、僕のスマホに電話がかかってきた。


「兄貴からか...」


僕の兄貴は連絡をよこすことなんて殆どないため、何かあったのだろうか。


「兄貴?どうした?」


そして兄貴から返ってきた言葉は、信じたくない事実だった。


『親父が殺された。』


『は...?』


僕らの父さんは、どちらかと言えば弱い方で、僕も兄貴も心配していたのだが、現実になってしまった。


『そうか...父さんは死んだんだな。じゃあ切るぞ』


『あぁ』


ずっとこんな世界でも我慢していたが、正直もう我慢の限界だ。


「こんな狂った世界、俺が終わらせてやる...」


僕は今日強く誓った。









「はじめ〜移動教室だろ?行こうぜ」


「あぁ、分かった。」


こいつは僕の幼馴染かつ親友の浅野悠真だ。こんな僕ともずっと仲良くしてくれている良い奴だ。能力もとても強いらしい。見たことは無いが。





「はじめ〜今日って能力検査だっけ?」

「あ〜確かにそうだったな。6限目か」


「まじで、はじめの能力ってどんなのなん?」

「まぁ普通だよ。強くないし弱くもないと思う」



能力検査か。正直面倒くさいから多少手は抜いているのだが、本気で取り組んだらどうなるかが少し気になるな。まぁ、やる必要が無いからしないけど。








「...え〜涼風さんの能力ランクはBですね。」


「はい。ありがとうございました。」


今回もいつも通りのランクにすることが出来た。能力はランク分けされており、それで強さがある程度把握出来る。D〜Sランクの中に振り分けられており、まぁちょうどいい中間のBランクに僕はいる。




「俺今回Aランクだった!」


「おうそうか。良かったじゃないか。」



悠真のランクはAか。かなり強いんだな。





能力検査が終わり、教室に戻ってきた。



「「「...?」」」


突然校内放送がかかる。


『ただいま校内に高ランクの不審者が侵入しております。生徒の皆さんは、ただちに避難をしてください』


「突然だな...」


急な出来事にクラスはパニックになりかけているが、委員長がその場を抑え、全員窓から脱出することにした。


「随分と雑な逃げ方だな...大丈夫か?」


そこで僕はあることを思い出した。


「そういえば悠真授業サボるって言ってどっか行ってたな...あいつ何かしらやらかしそうだし、探しに行くか」


そうして僕はみんなが窓から逃げているのを背に教室のドアを開け廊下に出た。



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