離人感

なんだか今日は離人感が激しい。

自分が自分であることは決して証明できなくて、確証が持てなくて、ふわふわどこかを彷徨っているみたいで、虚しい。

目に映る何もかもが全てぼんやりしているし、聴こえる音も全部現実味がない。

私が居たことの証明として文章を綴るけど、それも自分で書いているのかわからなくて怖い。

眠いような眠くないようなよくわからない気怠さを抱えて授業を受けるけど、授業の内容を書き写す手が自分のものとは思えない。

手の甲をつねっても、痛みが遅れてやってくる。

赤くなった甲を見ていると、何だか色もよくわからなくなっていく。

自分の体全てにゲシュタルト崩壊を起こして、気持ち悪くなる。

手がうねうねと動く様はまるで触手で、気味が悪い。

彩度が感じられない腕と骨張っている手は蝋人形みたいで、人間にはどうしても見えなくて、不思議な気持ちになる。

心臓が脈打っている。

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