タイムトラベル③(遣唐使編1)

進藤 進

第1話 さざ波の音で

俺は目を覚ました。


ボンヤリとした視界には。

青い海はなくて。

ドンヨリとした波が揺れていた。


「おおぉっ・・・」

大きな揺れに声を漏らした。


静まることのない動きは。

俺の感覚を麻痺させるどころか。

強烈な吐き気を誘う。


乗り出した手すりから。

俺の吐き出したものが落ちていった。


白い網目模様を眺めながら。

俺は何度も。

力尽きるまで、苦しんでいたんだ。

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